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邑久バルーンミーティング2004
2004年11月20日
11月20日、21日と、当地では邑久バルーンミーティング2004の開催である。こうした大会は全国で年に30ほど行われているが、この邑久バルーンミーティングもそのうちの一つ。それほど大きい大会でもないが中四国では唯一とのことで今年は11回目、毎年30余りのチームが参加している。昨年は都合で行くことができなかったのはまことに残念。しかし今年は休みの取れた土曜日一日だけでもと出かけてみようということになった。当日の朝目を覚ますともうすでに外は明るくなり始めている。大慌てて朝食をすませ、6時をだいぶ回ったころに家を出発。機材は人工ヘッドとDATの標準仕様、それに首からぶら下げた小さなデジカメがお供である。まだ早朝なので少し霧が出ているが、天気は申し分のない晴天だ。困ったのは風向きがまったく分からないこと、極めて微風である。大抵は会場から南に飛んでいくのだが、南といっても着地点まで来るとずいぶん広い範囲になる。気球が飛んできてから追いかけていたのでは、とてものことではないが間に合わない。一昨年は偶然でくわしたがこれは単なる幸運である。ランディングはあきらめ、いっそのこと会場まで行って最初の競技のテイクオフから録ることにした。
Sample1.mp3 1分09秒 1.32MB 本日最初の競技のテイクオフ風景である。気球は次々とバーナーに点火し上昇していく。インフレーターのエンジン音もあまり気にはならない。人工ヘッド"Alqays"とTCD-D100で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
着いてみると道路にはすでに交通整理の警備員。チームのメンバーも次々にやってきて、気球の立ち上げが始まろうとしている。毎回来てみて驚くのはカメラマンの多さだ。今回も早朝からかなりの人出である。年々増加しているような気さえする。一般観衆のいない会場にやたらにカメラマンの姿ばかりが目立っているが、まだまだこれから増えるはず。気球の立ち上げはちょっとばかり面倒である。展開した気球にインフレーター(エンジン式のファン)で風を送り込み、時間をかけて十分に膨らんだところでバーナーに点火。気球は一気に立ち上がる。最初の競技は会場から飛び立って、あらかじめ設置されたターゲットにマーカーを投下するというもの。こちらも機材をセットして録音を開始。右手にヘッドをセットした三脚、左手にデジカメと、どこかの戦士のような出で立ちだ。合切袋と化した人工ヘッド用のバックとDATを肩に掛け、音源を追ってあたふたと歩き回る。ところがどうも散漫な雰囲気で、いまひとつ活気がない。いくつもの気球か犇めくように上昇していくというのではなく、ポツリポツリといった感じなのである。大きな音を出すインフレーターとの距離が取れるので歪みの心配は少ないが、音的にはガランとして空間が開いてしまうので困るのである。
ところで今回持ってきたDATはTCD−D100、使い始めて7ヶ月目である。性能的には不満はないが、ポータブルのDATとしては非常に使いにくい機種だ。以前メインだったTCD−D7もそうだったが、ポータブルというよりは持ち運びもできる据え置き機といった感じである。目的地まで持って行くには小型軽量で申し分ないのだが、現地で肩に掛けて歩きながらの録音や、不安定な場所でのセッティングにははなはだ不便。本体にはストラップは着いていないし、持ち運びに便利なケースもない。カメラ用のケースを流用しているが、いったん中に入れてしまうとレベルの調整もできないし、表示の確認さえできない。何とかしたいが本体にはベルトやストラップを取り付ける余裕はなく、適当なケースも見当たらないので困っている。こういった意味では初期のTCD−D3の方がはるかに使いやすかった。肩に掛けたままレベルの調整や表示の確認もできたし、なんとテープの交換までできたのである。もう一つ不満に感じるのが操作レスポンスの遅さである。特にテープをロードするまでの時間が非常に長い。大電力を消費する大型ポータブル機のレスポンスの速さと比べると格段の差である。しかし電池2本で約4時間の長時間駆動、徹底的な省電力の結果とあってみれば仕方がないのかもしれない。
Sample2.mp3 1分29秒 1.70MB もうすぐ午後5時も近い時刻。最後の競技のランディング風景である。時刻も遅く風も強いので、いたってあっさりしたもの。人工ヘッド"Alqays"とTCD-D100で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
などと文句を言っているうちに、やがてすべての気球が飛び立って、あとは帰還を待つばかりとなる。一般観衆もだんだん増えてきて、それに輪をかけるようにカメラマンも増えてきた。こちらも手持ち無沙汰となったので露店の出ている辺りをうろつく。10時過ぎから風が少しずつ出てきたが、帰ってきたメンバーにより気球を係留しての体験フライトの開始である。気球を係留している会場内は一般搭乗者とメンバー以外は一応立ち入り禁止のはずだが、今日は初日なので規制もゆるく、暗黙の了解での開放状態。カメラマンや一般観衆も立ち入って楽しんでいる。当方もその一人。といってもやはり危険なので注意が必要。係留用のロープを横切っていた人が厳しい声で注意される。こちらもロープの位置や気球の状態に注意しながら、周囲のカメラマンにも配慮し、上昇下降する気球と搭乗者の二つの音源を追いかける。けっこう疲れる作業だ。しかし活気はイマイチ。気球のメンバーも一般搭乗者も撮影する人も、もう一つ楽しみ切っていない様子だ。そうこうするうちに風が強くなり、2つの気球が倒れて飛行不能となった。11時頃には係留フライトも終了。少しばかり早い昼食をとって堤防の斜面で一休みである。正午を過ぎる頃、またまもやカメラマンの団体が2組大挙してやってきた。何人というよりもバス何台分という人数である。いづれも2台のカメラを肩にかけ手には三脚を持っての重装備。ご高齢の方が多いが、中には腰のすっかり曲がった老婦人もいる。それにしてもものすごいパワーだ。このパワー、当方もいい年かっぱらったら大いに見習わなくてはいかん。
昼過ぎになっても相変わらず風は強く、午後2時からの競技の予定は延期。実施可否は午後2時45分にミーティングを行って決定するとアナウンスがある。会場の半分を埋め尽くしたカメラマンもいささか暇をもてあました様子で、一般の観衆を相手に撮影を楽しんでいる。こちらもご同様。一般会場との境い目になるロープの傍では気球のバスケットを2つ並べて試乗とバーナーの操作の体験をやっている。生ガスというか液体のガスをそのまま噴出させて点火燃焼させるのでものすごい火力である。家庭の六畳間で使用すれば、宣伝文句に偽りなしの瞬間暖房だ。
Sample3.mp3 1分23秒 1.60MB 気球をライティングしてのバルーンイリュージョン。掛け声とともに一斉に点火する風景はなかなかのもの。人工ヘッド"Alqays"とTCD-D100で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
午後3時前に午後の競技の実施が決定。1km以上離れた会場の外からテイクオフし、会場内のゴールにマーカーを投下するもの。今度はランディングの情景でも録ってみようと、風向きを確かめて邑久町は箕輪あたりへ出発である。40分ほどで最初の気球がやって来たが、着地点まで距離がありすぎて間に合わず、2番目の気球もアウト。やはり風が強すぎる。その後の3つの気球は高度が高く、山超え送電線を超えてはるか長船町の方まで飛んでいってしまった。その後ずいぶん時間をおいて2つやって来たが、いつの間にか風向きが変わっていてこれもアウト。こちらも風向きに合わせ川を越えて豆田方面へ移動する。そのせいもあって次の気球は運良く捕らえることができた。しかしあっという間のあっけないランディングである。風が強いので地上のメンバーも追いつくことができないうえに、気球は着地するとすぐに倒れてしまう。地上のメンバーとの掛け合いの様子や、気球がゆっくり地上に落ちてくる音も期待できないのである。しかたがないので、いっしょに稲を刈った後の田圃に入って気球を折り畳む音を録っていたが、少し遅れてやってきた町のスタッフに一瞬厳しい眼差しを向けられた。このあたりは会場の近くなのでかなり厳しいマナーが要求されるのである。これは後でやってきた数名のカメラマンでも証明された。道路上で撮っていて、決して田圃には入ってこないのだ。よほどしっかりした指導を受けていると見える。これからはこちらも注意しなくてはいけない。けっきょく確認できた気球はわずか10機ばかり、あとはどうなったのだろう。風が強くてテイクオフできなかったのかも知れないし、いくつかは会場内に降りたのかも知れない。午後5時近くなったので、気球の回収完了を待たず会場へ帰る。
あたりがすっかり暗くなった午後5時30分からは、本日最後のイベントであるバルーンイリュージョンの開始だ。前々回は和太鼓の演奏もあったが、今年はアナウンスのみの静かなもの。発色剤を混入したプロパンガスに点火し、黄色い炎で気球を明るく照らし出す。PAの掛け声に合わせて順番に、そして一斉にバーナーに点火。一般観衆も居残った熱心なカメラマンも楽しんでいるが、前回と比べてかなり静かで落ち着いた雰囲気だ。このイベントは30分ほどで終了し、ただちに退場を促するアナウンス。風がまだ結構あるので気球が倒れるのが早く、うろうろしていると危ないのである。坂道の前で順番を待つ車の脇を擦り抜けて、駐車場の端から堤防を上って帰路に着いた。今日はあまり手ごたえがなく、音にはならなかったという印象でる。しかし家に帰って実際に聞いてみるとそこそこ面白い部分もある。熱気球というとまったくナマロクの対象外だが、立体的に音が展開するのが何より魅力だし、録音しているうちにはいろんなハプニングもあって、なかなか面白いものである。来年も時間が取れたらまた行ってみることにしよう。
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