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 日常のありふれた音の記録です
2021年7月
2021年7月25日 しばらくぶりにキャンプ場の西の谷。いつのまにか真夏という感じで、今日もたぶん猛暑日になるらしいが早朝はまだまだかなり涼しい。平地ではクマゼミ、アブラゼミも鳴き始めているが、少し山の中に入るとまだニイニイゼミがほとんどで、あとは鳴き残りのウグイスの声ばかり。壮絶な静けさというか音の充満した静寂というか、疫病のように迫りくる密やかな喧しさとは真っ向から対立するものなのである。もちろんここでも早朝からふんだんに鳴いている。ニイニイゼミの声というとかなり高域寄りという感じだが、実際は意外とそうでもなく6kHz〜9kHzが中心。むしろ他のセミの方が高域の成分は大きい。帯域バランスの問題かな。とにかく真夏はついこの間始まったばかり。ここしばらくは黒い腐汁が滴るような毒夏をたっぷりと楽しめそうだ。それにしてもあち〜なあ。
Sample.mp3 3分15秒、3.73MB 音に満ち溢れた静けさというものがあるとすればこれがその好例という感じ。mp3には厳しいセミの声、今回も少なからず破綻しているはずだがほとんど目立たないようだ。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)

2021年7月23日 3週間ぶりに長浜方面。でも早朝からどこか遠くから草刈り機の音が響いてくる。しばらくすると軽トラが谷の入り口にやって来たのであきらめて退去。そのまま山を下りて塩田跡に沿った道を南へ進み、ふたたび谷沿いの山道を上って鹿忍方面、というかその道の途中で録音。悪くない場所なのだけれど平野からの騒音が多い。散策で上まで上ったら集落の外れの納屋の回りに十数匹の猫の集団。まだ若い猫や子猫が多い。去年はもっと少なかったはずなんだけどな。どうやら猫算で増えているらしい。気温はしだいしだいに上昇しやがて毒暑状態。2回目に散策で訪れた時には猫はどこかへ姿を消していた。
Sample.mp3 4分16秒、4.89MB 毎年のことだがセミの声はmp3にはやはり厳しい。情報の脱落や破綻が頻繁に起きて、ビットレートを増やしてもほとんど改善しない。バックグラウンドの繊細な環境ノイズはかなり消え去りまた破綻している。なんだか音がボロボロという感じだ。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)

2021年7月17日 梅雨が明けたという噂はどこからか聞いているが、実質的にはまだまだ梅雨そのもの。湿っぽく胡乱な天気が続いている。今年はめずらしく雷の音を聞くこともすでに数回。もっとも雷といってもビシバシ落ちる気の利いたものではなく、上空をなにごともなく通り過ぎる音ばかりのへろへろ雷。あまり近辺に落ちてほしくはないが、なんだか気の抜けた炭酸飲料みたいで頼りない。本日は久しぶりに上山田方面。早朝は晴れていた空は少しづつ曇り始め、風もしだいに強くなってどうしようもない天気だ。音もほとんどなく目につくのは地上の茸ばかり。何だか活気がなく閑散とした朝だ。みんな湿気てしまったのかな。
Sample.mp3 4分04秒、4.65MB 10時半を少し過ぎた頃。下の池の放水路の上を通る山道から録音。このところそれほど雨が降っているわけではないので水量はさほど多くはない。風が少しばかり強く音のない日だ。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
湿っぽい季節に時おり地上で見かける不審な物体。どこか外世界から飛来した不可解な生命体を思わせるが、どうやらそういうキケンなものではないらしい。と言ったところで少しも心穏やかな気分になれるようなものではない。そのままにしておくのも心残りなので調べてみた。以前見かけたときには動物の糞にカビが生えたものではないかと推測していたのだが、これが大違い。中から出てきたのは案に相違してどこかひ弱気な薄茶色のキノコ。別の場所でも見かけたので調べてみたが、中身はやはり同じキノコ。これがそもそもの形態なのか、それとも単にカビに寄生されてしまったのか。その辺のところはよく分からないが、後者ではないかという気もする。いつもと違う天候が続くとしばしば正体不明のものが待ってましたと姿を現す。なんだか不気味でもあり興味深くもある。

2021年7月10日 今日明日と所用で出かけられない。でも午前中の所用の帰り道、少し寄り道をして車の多い県道とJRの路線を離れ谷あいに入り込んでいく。近くの中学校のグラウンドと谷川沿いに並ぶ民家を通り過ぎて1kmほど進むと、最後のだだっ広い民家というより業者の建物があり、そこからは舗装もぷっつりとぎれて砂利道になる。さらに林の中を谷川沿いに100m足らず進むと、建設業者の資材置き場というかほとんど何もない空き地に出くわして、そこが一応の終点。道はその先にも細く続いているが気楽には入り込めない。その空き地の入口辺りにマイクをセット。ちょっと不思議に思ったのは谷川の途中にダムのようにコンクリートの堰がしてある場所にほとんど土砂の堆積がないこと。水は川底ぎりぎりの堰の通水口を通って無事に流れている。こういう場所は大雨の時にたいてい土砂で埋もれてしまうものだが、上流の方も川岸の石積みが新たに補修されたりしているので、ときどき川底をさらっているのかもしれない。かりそめの粗末なヒルメシをかっ食らいながら12時前まで録音して引き上げる。午後はまた雨かな。
Sample.mp3 3分42秒、4.24MB 午前11時半頃。頭上の木々を通して雨をわずかに感じる曇り空。どこか遠くからとぎれとぎれの妙な鳴き方のニイニイゼミ、そしてたまに聞こえる鳥の声。あとはほとんど密やかな流れの音ばかりである。小型マイク"Kalivan"とPCM-M10で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)

2021年7月3日 このところ天気がちっとも定まらない。天気予報も何のその、明日のことは明日になってみないと分からない天気が続いている。今日も雨を期待して出かけたのだが、早朝は暗鬱な曇に覆われていた空模様もいつのまにか回復して青空がのぞくようになる。いつもの場所ではなく、少し谷を下った水路の上に道を避けてマイクをセット。今日は音も少なく遠くで鳴いているヤブキリとウグイスの声のみ。なんだか寂しい朝だ。
Sample.mp3 3分33秒、4.07MB 午前7時前。上の池から流れ出る用水路の上で、というか併行する道にはマイクを置けないので水路の上を跨ぐように三脚をセット。前夜の雨で濡れた木から水滴が落ちている。いくばくかの雨を期待したが天気は回復傾向。期待に反してぜんぜん降らなかった。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
こちらへ来る道の途中に1本だけ生えているヤマモモ。この辺りでは他には見かけないので誰かが植えたのかもしれない。ほどほどに大きな木で実は鈴生り状態だかいずれも小粒で10〜12mmφぐらい。お味はというと、少しヤニ臭いがよくよく熟れたものはなかなかの美味。画像の実はまだ完熟には達していない。日持ちが悪い、というより少しの風や雨で熟れた実もそうでないのもどんどん落ちて道にびっしりと降り積もるので、美味しくたっぷりと賞味するのはなかなか困難。食べられそうなものはほとんど数えるほどしかない。それでも道々立ち止まっては厳選して食い散らかす。困るのは果汁の色が濃厚なこと。むさぼり食らっているうちに白い衣服のあちこちに付いたりすると実にみっともないのである。最近は街路樹でもよく見かけて、こちらはもう少し大粒なのでこれも道々食しているが、やはりたっぷりと食い散らかすというほどにはいかない。なんだかちょっと残念な食べ物なのである。
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