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 日常のありふれた音の記録です
2021年6月
2021年6月26日 深夜に目を覚まし、ついでにふと思いついて近所に怪しく忍び出る。水田の大部分はすでに田植えが終わっていて水の入った状態。直播の田んぼも同じようなもの。最近はずいぶん数も減っているしまだ時期も早いので、自宅から聞くとずいぶん閑散としているが、何匹か近くに屯している場所を探してマイクをセット。夜の短いこの時期は深夜とは言っても静かな時間はなかなか少ない。日が変わるまではそれなりに交通量もあり賑やか。午前3時頃になれば新聞配達のバイクがやって来て近所を巡り、朝の早い人たちもちらほらと動き始める。その間のわずか数時間。それも時おり南の道を長距離のトラックが通り過ぎる。間近で聞くカエルの声はとてつもなくやかましい。でも実態はじつのところ近くにいるせいぜい数匹程度。あとは疎らにポツリポツリという感じである。田んぼの中に充満していた昔と比べるとずいぶん激減してしまっている。近年はカエルもメシの食い上げなのかな。新聞配達の人も通り過ぎ、南の道の交通量も少し増えてきたので早々に切り上げ。それではおやすみなさい。
Sample.mp3 3分56秒、4.51MB 午前2時半過ぎ。農業用水路に鉄板を架け渡した橋の上で録音。前はすぐ水田。後ろはあぜ道とあまり変わらない農道を隔ててやはり水の入った水田。近くで聞くととてつもなくやかましいが、数としては閑散としている。小型マイク"Slivikin"とPCM-M10で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)

2021年6月20日 前日は午前中ずっと雨。そんなにのべつ幕なしには降らないだろうと出かける用意はしていたのだが結局そのまま。有り難くもない所用に追われる一日になった。というわけで天気の回復した今朝はいそいそと出かける。久しぶりに上山田方面。あれこれ理由があっていつもの山を越えるコースではなく平野をぐるっと回るいささか遠回りなコースで到着。すでにお天道様は東の空高くギラついている。こちら側の草刈りは6月のはずだがまだなので、マイクをいつもの場所にセットすると草の茂った道を強硬突破していちばん上の池までお散歩。朝露がたっぷりと付いていて靴の中にまでジワジワと染み通る。以前に真ん中の池と下の池の間に置いてあったイノシシの箱罠はまたどこかに移されている。散策のあとでマイクを下の池の上の端近くに移動。風もほとんどなく、今日は一日まずまずの天気になりそうだ。
Sample.mp3 3分46秒、4.32MB 真ん中の池の下の檜林のそのまた下の桐の木の近くで。6月も下旬となると音はけたたましくも何か閑散とした雰囲気だ。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)

2021年6月12日 前夜から時々雨がパラつく空模様。どうなるのか心配だが、とりあえず傘を持っていつもの場所へ。マイクをセットするとすぐに草刈り機を積んだ軽トラがやって来た。ときどきこの辺りで出会う顔見知りの人。聞くとやはり草刈りとのこと。でも草刈りは先週の土曜日に済んでしまっている。上の池の堤防まで上がって確認し、また谷の道を引き返していく。以前は連絡を取りながら一斉に草刈りをしていたのだが、最近はそうでもないようだ。去年もそうだったのだが、今年も毛虫が異様に少ない。頭上から降り注いで来ることは皆無。道々でもほとんど見かけない。べつに音が出るというものでもないけれど、いないとなんだか活気がなくて寂しいのである。代わりにハエの方は初夏になってからそこそこ賑やか。この辺りにハエが多い原因はもしかして山のあちこちにふんだんに投入されている滋養たっぷりな牛の糞かも。二回りほど上と下を散策して引き上げる。明日も雨模様かな。
Sample1.mp3 4分02秒、4.62MB 午前6時半頃。胡乱な曇り空にもかかわらす早朝から耳元でかなり賑やか。毛虫は降り注いで来ないが、どうにか初夏らしい気分だ。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
Sample2.mp3 4分38秒、5.36MB 6月13日 久しぶりにキャンプ場の上の下の池の畔。時は午前8時半頃。しばらく降り続いた雨もおおかた止んで静かな曇り空。午後はどうやら晴れそうだ。小型マイク"Slivikin"とPCM-M10で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
先週に引き続いてこちらは路上で食を摂るザトウムシ。最初は何を食っているのか分からなかったが、よく見ると車にでも踏み潰された同じ仲間の轢死体。さらにこの個体が踏み潰されればまた別の個体の食餌となるわけで、貴重な滋養分が余すところなく連綿と受け継がれている。さんざんに食い散らして肥え太ったあげく、最後はむなしく灰になる人間と比べると無駄がなく効率的なシステムなのである。ところで体のあちこちに取り付いている赤い物体は、他のクモや昆虫でも見られるダニの仲間。コツコツとマジメに食を稼ぎ地道に細々と暮らしている者に取り付いて生き血を啜っているわけで気の毒なことこの上ないが、世の中そんなものなのでまあ仕方がない。これを人間に例えると体のあちこちにカブトムシくらいの赤いダニが取り付いて生き血を・・・と考えたら、うげ〜。取り付いているダニよりも取り付かれている人間の方が格段に気色が悪いことに突然気がついてしまったのである。なんだか後味の悪い話になってしまった。

2021年6月5日 夜明け前、どこかからホトトギスの声が聞こえてくる。6月。いよいよ夏なのである。相変わらず先週と同じ長浜方面。とりあえずマイクを水路を跨ぐようにセットしてあとはのらのらとお散歩。谷の上の道を上がっていくと山イチゴが目についたのでさっそく食い散らす。いつもの年はたっぷりある別の道の方は今年は不作。桑の実の方は少々時期を過ぎてしまったようだ。実は今年はキャンプ場のサクランボの方もたっぷりといただいている。本物のサクランボは木が4本あるが、量は多くてもいささか大味。それに程をわきまえない大量摂取は身の毒である。その後はふつうの桜の木のサクランボが実るので、これもも有り難くいただく。こちらは香味色彩とも濃厚、なのだが少々苦みというか渋みというかエグ味がある。中にはすさまじい味がして口に入れたことを激しく後悔するものもあるが、終わりよければすべて良し。儚い希望を抱いて延々と食い続けることになるのだが、数には限りがあるのでそのうち食い尽くして、けっきょく最後は不運で終わりを告げる。ただこの後は秋までめぼしい食いものもない。一回りして帰ってくると午前9時半頃から谷の入り口でエンジンの音。この地区の総出での草刈りは明日なのだが、早々と始めているようなので早めに引き上げる。明日は朝から所用で出かけられない。
Sample.mp3 4分07秒、4.71MB 貯水池からさほど離れていない水路の脇で。午前7時前。谷の入り口の道を通り過ぎる車もまだ少ない静かな朝の時間帯だ。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
谷の道で時おり見かける一見怪しげな生き物である。体長は10mmぐらい。ただし見かけほど怪しいわけではない。多種多彩で人気の高いクモと比べるとずいぶん地味な存在である。地面をうぞうぞと盲めっぽう地道に歩き回りながら食餌を求める。名前の由来通りであまり視力は良くないらしい。食いものは昆虫などを捕らまえて食す、らしい。らしい・・・とずいぶんいい加減なのだが、ほとんど情報が見つからない。多分ザトウムシの仲間。けっきょく名前は特定できなかった。
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