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 日常のありふれた音の記録です
2020年8月
2020年8月29日 またまた同じくキャンプ場の西の谷へ。相変わらず毒暑が続いている。個人的には大いに歓迎なのだが、いろいろ身近では不都合も発生している。この谷もいささか夏枯れといった感じだ。みんな乾燥しきってペケペケである。いつもは流れの絶えないここの谷川も少々気息奄々の状態。相変わらず朝から気温が高く、空は無情に蒼く澄み渡って情け容赦のないカンカン照りだ。午前8時を過ぎると日陰でジッとしていても汗ばむ状態になる。8月の上旬とはまるで飲料水の消費量が違う。ずいぶん遅れてやって来た夏の黄昏時の真夏日。もうしばらくは楽しんでいよう。ちょっと苦しいけれど。
Sample.mp3 3分59秒、4.57MB 午前9時半ごろ。すでに気温は30℃近いが、さすがにここまで来ると音の方は夏の終わりを告げている。どこか一抹の寂しさを感じさせる晩夏の音である。mp3の音もほとんど破綻を感じさせない。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
ついでながらこちらのクサギも山の中でよく出会う悪臭源のひとつ。よく出会う、というよりそこら辺中に生えていて、この辺りでは数の多い木の一つ。鳥が種を運ぶらしく、わが家の庭にもよく顔を出す。これも葉っぱに軽く触れたり枝を折ったりすると言いようのない異臭を放つのだが、夏に咲く花はむしろ美臭で強い匂いを放ち、黒衣の貴婦人を思わせる高貴な香り。オイラとしてはあまり想像したくはないが、若葉は食用にもなるらしい。この谷の道沿いにも生えていて、いかにも夏というより夏の終わりを知らせている。もうすぐ・・・たぶん・・・秋なのだ。

2020年8月22日 先週と同じくキャンプ場の西の谷へ。中旬に入ってからずっと続いていた毒暑も少し和らぎ、早朝はかなり涼しくなった。もっともこれは本日限りの特別大サービスであって、明日はどうなることやらとんと分からない。明日は明日の風・・・は吹かないだろうな。谷を通る道の山側は道の舗装と山の岩に囲まれ、朝の陽光も当たるので乾燥気味でペケペケ状態。辛抱たまらなくなったミミズが道路に這い出し、湿った柔らかな土を求めて強い日差しの中を右往左往。大方はどこか居心地のいいところへたどり着くようだが、地表をうろつくミミズの乾燥は速やかだ。来た時にはたいてい幾匹かの乾燥したミミズがそこここに転がっている。午前8時を過ぎると早朝の心地よさはどこへやら。日差しは強くなる一方で、また今日もいいかげん暑い日になりそうだ。少し遅くまで録音して引き上げたが、マイクのバッテリーの消耗で全滅。オイラ、今日は何しに来たんだろう。
Sample.mp3 3分59秒、4.57MB 8月23日。前日がマイクのバッテリーの電圧低下で全滅したので、その翌日の録音。もう晩夏もいいところなのだが、まだまだ夏真っただ中な感じだ。昨日よりは幾分涼しげだが、午後はまた暑くなりそう。小型マイク"Kalivin"とPCM-M10で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
山の中で悪臭というとまずは各種各様の糞の臭いだが、左の画像のカリガネソウもまた趣を異にする悪臭の一つ。見ているだけなら何事もないのだが、うっかり葉にちょっとでも触れたりなんかすればそれこそ大変。言いようのない悪臭が辺りにたちこめる。どこか場末の古い食堂の壁にねっとりと染み付いた食い物の臭いを思わせるが、そちらはヒルメシ時にはむしろ歓迎すべきもの。それとは似て非なる、全く異質の胸の悪くなるような恐るべき悪臭である。これなんかに比べればドクダミなんてすり潰して枕元に置いてもいいくらいだ。臭いはなんとなくクサギに似ているところもある。シソ科多年草。ここの谷の奥の少し薄暗くなった辺りに2株ほど生えている。オイラはいつもできるだけ離れて側を通るのである。

2020年8月15日 前日、今日とキャンプ場の西の谷へ。1週間前と比べるといよいよ日の出は遅くなったようで、さらには前日よりも遅くなっている感じさえする。キャンプ場の前の集落の辺りへ出没していたイノシシはしばらくこちらに移動してきていたが、再びどこかへ移動してしまったようだ。もう立秋なんかとっくの昔に過ぎ去っていて暦の上では秋なのだが、中旬に入ってからこのかた真夏日が続いており暑いのなんの。これはこれで個人的にはうれしいのだが、なんだかタイミングがズレているというか、位相が遅れている感じはする。これで負のフィードバックなんかが掛かっていて利得も十分とあれば、飽和する限界まで大きく上昇と下降を繰り返す発振状態になりかねないところだが、幸いにも単なる季節だからそういう心配はないのだろう。音からするとこのところ空の賑やかさも少しづつ復活しつつあるようだ。
Sample.mp3 3分50秒、4.40MB 8月14日。160kbpsのmp3だが、意外と露骨には破綻していない。ここではなぜかミンミンゼミが賑やかだ。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
Sample.mp3 2分45秒、3.16MB 8月15日。同じく160kbpsのmp3。こちらも破綻は露骨ではない。8月も半ば、もうすでにツクツクホーシが優勢になりつつある。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
わが家の畑の隣に生えている3本の木。いつのまにか肥え太りあつかましくも大きく枝を伸ばして、周辺の畑や果樹を覆うようになった。わが家の柿もそのひとつ。被害は甚大である。コノヤロー、ウチのかわいい柿の木をイジメやがって。コイツはいよいよこのままにはしておけねェ。ぶった切って切り刻んで燃やしちゃる!。ということで全て切り倒すことにした。うれしくもオイラ好みのやりたい放題の破壊作業である。ただ回りには畑や果樹や廃屋があるので、あらゆるものを巻き込みすべてを破壊し尽くすというわけにはいかない。せっかくの楽しみを削がれることいささかならずだが、それはまあそれで仕方がない。高さは十数メートルほど。幸いにどの木もさほど高くない位置で3つに枝分かれして大きく横に広がっている。これならなんとかなるだろう。とはいっても生来高いところは大の苦手。チェーンソー片手に登って行って枝を切り払うなんてことはオイラにゃ到底無理。8m近い柄を付けた鋸を下から伸ばしてゴリゴリゴリと枝を切る。それも一度に切ると辺りに被害が及ぶので、2回に分けて先の方から垂れ下がるように切っていく。鋸の歯で撫でているようなものでなかなか容易には切り進まない。残った太い幹はこれも手挽きの鋸で切り倒す。こちらは一本あたりほぼ一日がかりの仕事である。最後の一本はそのまま倒すと間違いなく近くの廃屋を破壊するので、チェーンブロックとロープで引っ張って切り倒す。蔦や葛のたっぶりと巻きついた幹の太さは意外にも思ったより細く、切り倒した位置でそれぞれ30cm、35cm、40cmほどだった。5月から延々3か月余り。なかなかにたっぷりと心楽しませる作業だったのである。ただ達成感というのはほとんどない。放埓な破壊こそが真の目的であって、過程や結果は単に必要上の問題に過ぎないのである。そういえば長岡さんも木を切り倒すのがお好きだった。破壊本能を満足させる健全なスポーツとして推奨してもいいくらいだが、ただ全ては自己責任。枝から落っこちてノーミソをまき散らすとか、チェーンソーに切り刻まれて致命的に血を流すとか、切り倒した木の下敷きになってぺしゃんこになるとかはありがちなこと。そもそも切り倒す木そのものもどこかに行けば用意してあるというわけではない。至ってマイナーな楽しみなのである。切り払った枝と幹は小枝を取り払い、鋸とチェーンソーでブツ切りにする。いくらかはご近所様に薪の材料として引き取っていただいたが、まだまだたっぷりと残っている。最終的に薪にしなければいけないのだが、薪割りなんてものは破壊とは相容れない憎むべき生産行為。思わず怒りがこみ上げるが、何の用にも供されることなく空しく灰になることを思うと、その怒りも幾分かは和らげられるのである。さて、今年の冬は斧を傍らにのんびり焚火をしてイモでも焼くかな。

2020年8月8日 先週と同じような調子で家を出る。星一つ見えない暗い空だが、南天には半分ほど欠けた不細工な月が薄ぼんやりと浮かんでいるので、全天的な曇りというわけではないらしい。ところが進めど進めどいっこうに夜は明けず、曙光は見えてこない。このままで大丈夫なんだろうかと思ったが、ようやく峠を越すころになって東の空がわずかに明るくなり、山の端が見えるようになったので一安心。わずか1週間で目に見えて日の出が遅くなっているのである。空は期待に反してうっとうしい曇り空。真夏という清々した気分では到底なく、心身をむしばむ毒暑という感じだ。
Sample.mp3 3分26秒、3.72MB 8月8日。午前5時を少し過ぎたころ。もはや早朝から夕方までセミの声ばかりだ。露骨な破綻こそしていないが、そこは所詮mp3。周辺の鳥の声なんかがモジられたみたいになっている。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
この辺りで聞くセミというと、ハルゼミ、アブラゼミ、クマゼミ、ツクツクホーシぐらいだが、久しい以前から時おり散発的にミンミンゼミの声も聞こえて来ることもある。ただ比較的稀でとくに増えていく様子もない。ほかにもいるかも知れないが少なくとも声は一度も聞いたことがない、と思っていたら最近早朝の通り道で薄暗がりの中、ヒグラシの朝の合唱の声を聴いた。ごく小地域的だが少なくとも集団で発生しているようだ。今後どうなっていくのかは気になるところだが、もしかすると気候の変動が影響しているのかもしれない。
Sample.mp3 3分30秒、4.01MB 8月9日。お天道様がほどよい高さに昇った頃。朝から蒸し暑いが、もはや炎熱の気配である。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
2020年8月9日 前日に引き続いて今日も長浜方面。今日は少し遅めに出かけたが着いた頃にはやはりまだ薄暗い。マイクをセットするとまもなくどこからか草刈り機のエンジンの音が聞こえてくる。時刻は5時過ぎ。いくら何でもこんな早朝から・・・と思っていたら、しばらくするとこちらへ軽トラがやって来た。鋤簾を担いでこちらへやって来たのは顔見知りの人。上の貯水池の放水量の調整と周辺の掃除ということらしい。調整、といっても堤防にいくつかある怪しげな木製の栓を一つポンと抜くだけだが。早朝は涼しいとはいえ、随分と朝早いのである。昨日にも増して蒸し暑く、ますますつのりゆく炎熱の気配。10時を回った頃ほどほどに片づけて引き上げる。今日も午後は暑くなりそうだ。

2020年8月1日 8月も押し迫ってようやく梅雨が明けたと思ったらその日のうちに雷鳴と激しい雨。夕立なんてこの辺りでは近年きわめて珍しいことである。先週に引き続き本日も長浜方面。ただし少し早めに起きだしてまだ薄暗いうちに到着。だからといって大してご利益があるわけでもないが、夜明けの四半時ほどはけっこう賑やかである。いつもと少し場所をかえて水路寄りにマイクをセット。この時期ほとんど流れのない谷川だがそれなりには涼しげで、日中は木陰にハンモックでも吊るして昼寝でもすればよさそうだか、なんかこっぴどい目に遭いそうな気もする。残りわずかばかりの真夏、せいぜい楽しんでいよう。
Sample.mp3 3分40秒、8.39MB 前半は午前5時過ぎ。後半は午前10時前。mp3なのでセミの声は厳しく、バックグラウンドの音が破綻気味。320kbpsでも十分な改善は見られなかった。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
マイクをセットしている場所の近くの木に大量に集まっていたカブトムシ。今日はどういうワケか一匹も見当たらない。木の回りに踏み荒らした跡があったり、幹に絡まっていた葛が取り払われていたりするので、どうもこの辺りの悪ガキどもがこぞってやって来て、残らずみんなかっさらって行ったようだ。代わりに先週は見かけなかった、これも常連のキマダラヒカゲとヨツボシオオキスイがやって来ている。さらに木の地面近くにはふだんこの木では見かけないマイマイカブリが一匹、しつこく樹液をすすっている。本来肉食で普段の食餌は名前の通りのカタツムリ。樹液が主たる食餌ではないと思うのたが、夏の夜が醸し出す芳醇な美酒にもいささかならずたしなみがあるようだ。コメツキムシの仲間も一匹来ていたが、見ているうちにプチンと跳ねてどこかへ跳んで行ってしまった。1本大き目の木が生えていると、それもあちこちこぎたなく虫なんかに食い荒らされたりしていると、樹液の香もかぐわしく虫なんかも寄り集まって来るので、なかなかに心楽しい木なのである。
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