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 日常のありふれた音の記録です
2020年1月
2020年1月25日 このところ日がな騒音の多い極悪な天気。それはまあ季節柄どうしようもないのだが、今日は河岸を変えてキャンプ場の西の谷へ。とはいっても何処も同じようなもの。悪いことに夜明け前の空は無慈悲に晴れ渡っている。どうもあまりいい日にはなりそうもない。着いたときは他に何の音もなく谷川の音ばかりだが、予想通りすでに平野からは騒音の兆し。時間の経過とともに様相は変化していくので、その都度マイクを担いであっちへウロウロこっちへウロウロ。けっきょく録音しているのは航空機の音とうろつき回る自分の足音ばかり。午前10時半を少し過ぎたころついにバッテリー切れとメモリー満杯で録音も停止。なんたか切ない朝だな。
Sample.mp3 4分22秒、5.00MB 午前7時前。かなり明るくなってはいるがまだ日の出前、辺りの鳥が鳴き始めて間もないころである。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
2016年11月に製作したスピーカー。共鳴音の吸収用に4個の共鳴筒を放り込んでそれなりに効果があったのだが、ソースによってはイマイチ気になる場合もある。実のところホワイトノイズのFFTでは確かにピークは小さくなっているのだが、こういうものはノイズではなかなか正体が分かりにくい。そこでファンクションジェネレーターから正弦波をぶち込んでスイープしながら測定してみた。結果は画像の通りで、760Hz、830Hz、940Hz、1380Hz辺りに大きくピークが出ている。といってもこれは軸上正面50cmのところだけの話で、測定位置を変えるとコロコロと変化する。実際に一定の周波数を再生しながらわずかに位置を変えるだけで音圧が大きく変動するのが分かる。共鳴の音源そのものが広い面積を持っていて干渉しているらしい。いよいよ何が何だか分からないのだが、こういう共鳴は全体で一つのものであって、共鳴のピークごとに特定の場所で発生しているわけではないが、それでも比較的音圧の集中するような場所はあるはず。というわけで半ば振り出しに戻ったような感じだが、対策はなかなか難しそうだ。どうするかな。

2020年1月18日 朝、けたたましいチャイムの音で目が覚める。わが家に時おり襲来する黒野良猫、白野良猫の非常警戒用である。でも怪しい正体はわが家の性悪猫だった。一安心したところで時刻を見ると5時15分。30分ほど寝過ごしている。慌てふためいてメシを食らいいつもより10分遅れで出かけたが、着いてみるとまだ辺りは真っ暗。時刻を確認するといつもより10分早い。どうなっているんだ。マイクをセットしてしばらくすると徐々に鳥が鳴き始めるが、今日はやけに寂しい。このごろみんなどこかへ引っ越してしまったようだ。天気は二言三言モンクを付けたくなるような申し分のない晴天。上の集落の近くまで散歩していると、いつもの人に出会う。この間は150kgほどのイノシシが獲れて、運ぶのに3人がかりで大変だったそうだ。昼近くなるにしたがってますます辺りは静まり返り風も少し出てきた。明日もまたこんな天気なのかな。
Sample.mp3 3分20秒、3.81MB 騒音はそれほど多くはないが音はほとんどない。みんな揃ってどこかへ行ってしまった。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
谷川沿いの道を歩いていると落ち葉の上に何やら白っぽいものが付着していることがある。あちこち大量にあるので鳥の糞などではなさそう。ふと気が付いたのが谷川に何か所かある白っぽい水たまり。夜半に沼田場でひと風呂浴びたイノシシが帰り道で滴らせた泥水らしい。何か所かあるので確かめに下りてみると、足跡はわずかしか確認できないが確かにそこから泥の跡は続いている。もともと浅い水溜まりのようになっていた場所で、イノシシがねっちゃらくっちゃらと地面をこねくりまわしているうちに石や大粒の砂などは底に沈み細かい泥が表面に溜まって具合よく出来上がるようだ。こういう場所で泥浴びをしているのはまだ実際に見たことはないが、毎日夜中に来て眺めていればそのうち見られるかも。画像は他日、別の場所で。

2020年1月11日 この頃なんだか夜が明けるのが早くなったような気がする。それもそのはずで、すでに冬至から二旬ほど経過している。陽光も心なしか強さを増しているような気もする。今日は少し早めに出ようと思っていたが手間取って、結局いつもより5分ばかり前倒しで出発。でも着いてみて辺りがまだ真っ暗なのにはビックリ。夜明け前の東の空と西に傾きかけたお月様とどちらが明るいのか分からない。暗闇の中でマイクをセッティングしているとどこか遠くからフクロウの声が聞こえてくる。ようやく薄明るくなりかける頃になるとすでに東からは騒音の兆し。今日はあまりいい日じゃなさそうだ。案のじょう時間が経つにつれて西から東からと騒音も滞りなく増加。午前9時近くになると錆び付いた蝶番が軋むような声でなにかがグジャグジャと鳴き始める。ほとんど何を言っているのか分からないが、声からするとどうもウグイスのようだ。でも春はまだまだ遠い。
Sample.mp3 4分11秒、4.80MB 相変わらずの寒々しい音だが、実のところこの季節では唯一騒音が比較的少ない可能性のある場所なのである。いつもではないけれど。他の場所では騒音は多いが、もう少し暖かい季節の音がしている。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
2016年11月に製作したスピーカー。800Hz〜900Hz辺りに大きなピークを持つ強い共鳴が発生している。健康に有害なことこの上なし。何とかしなければと思いながら結局2年以上が経過してしまっている。さすがにこれ以上放ってはおけないので手を付けることにした。本当はゆっくり1週間くらいは取りたいのだが、それはとうてい無理としてもせめて3〜4日はかけたいところ。でもそれも無理なので丸一日をつぶし、朝からやっつけ仕事で取り掛かる。こういう共鳴は周波数特性を見てもなかなか正体が分からないので聴感が半ば頼りである。そもそも共鳴の発生原因からして良く分からない。もともとスロート付き共鳴管の宿命で700Hz〜1kHz辺りに共鳴の強いピークがいくつも発生するのだが、それだけが原因とも思えない。大半はスピーカーユニットのコーンを透過して出てくるのだが、発生している主要な要因も分からないし場所さえも良く分からない。以前いちど充填してみてまったく効果がなかったので吸音材は使うつもりはない。ということで内径50mmφのボイド管を切り刻んで可変式の共鳴筒をいくつか作り、あちこちに配置して実験。最終的に近接した周波数にチューニングした2個の共鳴筒をペアにして、スピーカーユニットの背面の両側に1組づつ配置することになった。結果は効果てきめんとまではいかないが、かなり大きな改善があった。以前はバッフルのユニットの下あたりを叩くと発生していたカンカン・キンキンという長い共鳴が激減。再生音としても聴感上ほとんど気にならなくなった。ただもう少しスペースに余裕はあるので、共鳴筒は8本くらいぶち込んでも良かったかなという気もする。ともかくはしばらくこれでいってみよう。

2020年1月4日 ふと目が覚めると4時45分。そろそろ起きなくては・・・、と次に時計を見ると43分。あれ、時間が逆行しているゾ。そんなバカことはないのであって、いつの間にか1時間寝過ごしている。というわけで大急ぎで朝メシをかっ食らって、薄明るくなり始めた東の空に向かって大急ぎで出かける。土曜日ということもあってまだまだ車も少なく静かだが、通りすがりの工場はすでに開け放たれ明々と明りが灯っている。ただいつもの資材を積んだトラックは待機していないので今日から本格的な操業ということではないようだ。着いた頃にはまだ日は昇っていないが、すっかり明るくなってそろそろにぎやかになり始める時刻。でも騒音は少ないもののあまり活気のない朝だ。本当の本物の春なんかまだまだ遠い先の話。空ばかりがやけに明るく、春の気配はまだ遠い暗く沈んだ風景の中、山道の散策はいささか退屈だ。どこかに春、落ちていないかな。
Sample.mp3 3分43秒、4.25MB やはり午前8時を少し回った頃。なんだかずいぶん騒がしいが、これはこの時間帯だけだった。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
上の池の傍の道を歩いているとまだ真新しい散弾銃の薬莢が二つ落ちている。去年は確か無かったはず。たぶん年が明けてからだれかハンターが来たのだろう。錆びた古い薬莢が池の堤防なんかにいくつか転がっているが、それはもう十数年前の話。銃声はずっと長いあいだ耳にしていない。たまにどこからかくすんだポンという音が小さく響いてくることがあるが、山を越えたはるか遠くの話。なんだかちょっと物騒な気もするが、辺りの様子にはべつだん変化もないようだ。でも引き金に掛けた指がうずうずしている初心者のハンターと行き遭わせるのはなるべくご辞退申し上げたいところ。ところかまわずのべつ幕なしにぶっ放されるのはやっぱりオイラ恐いからな。

2020年1月2日 いつもより少し遅れて出かける。昨日の異様な車の多さはどこへやら。これが新年だ!、というような感じの静かな朝だ。着くとすでに明るくなりかけていて、いつもは暗い中でのマイクのセッティングも楽勝だ。静かな朝だが音も少なく、少しずつ騒音が増えるにしたがって音もしだいに増えていく。なぜだか今日はバイクがやたらと多く、南の平野から山を越えてこちらの平野まで、屁こきバイクが香り豊かな音を高々と鳴り響かせながらゆっくりと大きな半円を描くように通り過ぎていく。
下の池まで散策から戻ってくると、イタチがなにやら懸命に地面を掘っている。すでに体の長さほども掘り進み、ときどき顔を出しては辺りを警戒しながらまた掘り進んでいるが、こちらにはまだ気が付かない様子だ。たぶん目的物は冬眠中のカエルだろう。地面の上からアサメシの匂いを嗅ぎ当てるらしい。カエルにはとんだ災難だか、その災難も時を経ずしてカエルといっしょにイタチの胃袋の中にめでたく転がり込むことになる。1mほどまでに近づくとさすがにこちらを警戒しだして少し逃げ出すが、またすぐに戻ってきて掘り始め、あきらめる気配もない。しばらく散策で離れていたらすでに目的は果たし終えたらしく、イタチはどこかに姿を消していた。
Sample.mp3 3分50秒、4.39MB 前日と同じ午前8時過ぎ。前日とは打って変った静けさの人界と違ってこちらはそこそこの賑やかさ。でも役者はいつもと同じだ。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)

2020年1月1日 31日の早朝は予想に反して異様に静かだった。近くのブルーラインを通る車もほとんどなく、道々出会う車もごくわずか。これならと今日も期待していたのだが、事実はまったくの当て外れ。まだ暗いうちから出かけている車がずいぶん多い。いつもは見かけたことのない、路上に停車している車も2台。反射材を肩から掛け赤いランプを右腕に付けたサイクリングの人が闇の中を通り過ぎる。皆さんいったいどこへ出かけるのか。十数年前には確かにもっと静かな元旦だったはずなのだが、いつの間に変わってしまったのか。そういえばその頃から身近な神社へ初詣に行く人もいなくなってしまったが、今はどうなのだろう。なんだかせわしない正月だ。今日もあいかわらず上山田方面。山のふもとのツツジは満開。霜がうっすらと降りた道端の草も小さな花を付け、ほんのちょっとだけ春気分になる。もっとも秋からずっと咲いているけれど。
Sample.mp3 3分33秒、4.07MB 午前8時過ぎ。いよいよ本格的な冬景色、辺りの景色も音も寒々しい。今日はヒヨドリの声ばかりで騒音も多い。元旦といっても近ごろは静かなわけではないようだ。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
最近何だか音が変。というので先頃2つのスピーカーのトゥイーターの再調整。ずいぶん長い間やっていなかったのである。結果は以前とはかなり異なるものになった。かなり、というのは以前とは似ても似つかないという程度の意味だが、それほど大きなものでもない。時間の経過もあるし、季節の影響も少なくない。もっともその時の気分次第というのが主因だが・・・。改めて認識させられたのはスピーカーの保護用に取り付けているグリルの金網の影響である。ホワイトノイズを再生しながら付け外しすると音の変化するのがよく分かる。さらに取り外して徐々に近づけていくと”しゅわぁ〜〜〜”。金網自体の開口率は市販のグリルや、スコーカー・トゥイーターの保護ネットの金網に比べるとかなり大きいのだが、それでも影響は多大である。市販のシステムやユニットなら最初から影響を考慮して設計するのかも知れないが、単売のユニットでは裸での使用が前提になる。対策としては開口率をさらに大きくするか、振動板との間隔を再生帯域に影響の少ない距離に設定するかだが、どれも安全性や実用性を考えると難しそうだ。ホントは取り外してしまうのが一番いいのだけれど、わが家ではとうてい無理。なにかいい方法はないものかな。
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