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 日常のありふれた音の記録です
2017年7月
2017年7月23日 不本意ながら少しばかり遅く目を覚まし、大慌てで飛び出してひと山越えて塩田跡に面する山の斜面を下って行き着くところは鬱蒼とした貯水池の下の行き止まり。朝から煮え切らない天気で気温ばかりが高く曇りがちだ。セミの声でもと期待して来てみたが、これはまったくの当て外れ。どういうわけか今日はほとんど鳴いていない。今年はなんだかセミが少ないような気もする。本当の本物の夏、はやくやって来い。
Sample.mp3 4分16秒、4.89MB 朝からずっと録音していてちっともセミが鳴きださない。何だかへんな気分だ。本当の本格的な真夏日はこれからだな。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
わが家のセミは昔はニイニイゼミとアブラゼミだったが、最近はご多分に漏れずクマゼミが主になった。一昨日は三匹のセミが地下から這い出て羽化・・・・・。のはすだったのだが、一匹は後ろに障害物のある場所なので大丈夫なのかと思っていたら、案の定途中で墜落負傷して羽化に失敗。もう一匹は木の枝に止まったまま羽化せずに成仏。けっきょく羽化できたのは一匹だけ。羽化できないセミというのはそんなに見かけないので、よほど運の悪い日だったのかも。クマゼミは山の中というより人家に近い所に多くて、意外と録音しにくいセミだ。市街地なんかでもいかにも高級そうなマンションの植え込みや人通りの多い表通りの立派な街路樹なんかには山ほどいて、手で簡単に捕まえられるくらいだが、そういうところで録音。・・・は今のご時世、やっぱしマズイかしらね?。

2017年7月16日 しばらく出かけていないキャンプ場の西の谷。1ヶ月ぶりに来てみたものの、こちらもあまり変わり映えがしない。それでも9時を過ぎるとセミが鳴きはじめ、少しは夏の朝らしい気分になって来る。原形を留めがたくなったミミズの屍骸には腐肉を食らう虫たちが集まってしたたる腐汁をすすり、別の所ではオサムシが自分の取り分のミミズを大慌てで切り取って持って帰る。活気に満ちたいかにも夏らしい光景だ。
Sample.mp3 3分31秒、4.02MB 気温ばかりどんどん高くなるが、まだまだ煮え切らない生半可な夏の音だ。本当の本格的な真夏日はこれからだな。小型マイク"Kalivan"とPCM-M10で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
所用があって少し早めに引き上げる。回り道をした集落の水路にかかる橋の上で、移動式の消防用のポンプを前に4、5人の人が頭を寄せ合って何やら相談している。どうもポンプのエンジンがかからないらしい。昔は近所にも移動式の消防用のポンプがあって、新年には出初式と称して年一回試運転をしたものだが、小一時間奮闘した挙句にやっと起動するという有様だった。これではとっくの昔に家は全焼?。実際に消火に使われたのは一度も見たことはない。もっとも火災そのものが数えられるほどもなかったのだけれど。

2017年7月15日 いよいよ本格的な真夏日に入った。初夏の澄みわたった空のきっぱりした天気とは大違い。蒸すは蒸すは。熱気と湿気が毒液の滴るように充満した世界である。大気はすでに8月の、何か不透明なものが充満しているような鬱陶しい薄曇りだ。キャンプ場に出かけてみるとすでに一組のキャンプ客。テントもなく慎ましい夕食の後は2台の軽四のバンにお泊りのお気軽なもの。こういうのもなかなか良さそうだ。期待したものの相変わらず音は少なく、セミもまだ鳴きださない。
Sample1.mp3 4分15秒、4.87MB あとで再生してみてあまりにも静かなので、録音機の−20dBのアッテネーターが入っていないのを確認したくらい。本当に音のない朝だ。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
Sample2.mp3 5分15秒、6.02MB 西大寺の夏祭りの花火。21:30からのはずなので時間が許せば行ってみようと思っていたが、20:00を回ったころから盛大に花火の音。アレ・・・??。しかたなく家の2階の窓から。小型マイク"Kalivan"とPCM-M10で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
数日前、いつかサギの営巣地に撮影に来ていたお年寄りとまた出会った。長靴姿に明るい400mmの望遠レンズの付いたデジタル一眼レフで手持ち撮影。35mm判の5百数十mm相当になるらしい。鳥類、蝶類、トンボなどを撮影されているとのこと。こんな場所で録音する人に会うことは滅多になく、後にも先にも25年間でたった一人だけだが、撮影する人に会ったのもこれが初めて。録音する人に比べて撮影する人は桁違いに多いはずなのだけれど・・・。やっぱりここは思いっきりマイナーな場所なんだな。

2017年7月8日 7月に入ってからニイニイゼミが鳴きだしているが、このところ雨模様のせいかまた鳴き止んでしまった。あまりにも天候の急変が激しく、天気予報を見るより空模様を仰ぎ見た方がいいという感じだ。しばらくぶりにキャンプ場の西の谷に行ってみたが、騒音はないもののこのところの雨で増水し、谷川の音はかなりやかましい。昨年花が咲いた竹藪は相変わらず枯れるでもなく再生するでもなく、いくらか残った葉が明るい緑を保って生き延びている。日当りが良くなって下生えが繁ってきそうだが、来年はどうなっているのか。陽が高くなるにつれてますます蒸し暑く、不快きわまる天気になってきた。
Sample.mp3 4分01秒、4.61MB かなり気温が高いにもかかわらず、まだセミが鳴きださない。なんだか妙に静かな朝だ。小型マイク"Slivikin"とPCM-M10で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
録音の合間の暇つぶしに撮影なんかしているとよく分からない生物に出会うことが多い。昆虫はたしかに種類が多いことは多いのだが、それでもふだん見掛けるのはごくありふれたものばかり。・・・のはずなのだが意外とこれが分からない。左の画像も正体不明。分かったのはどうやらガガンボの仲間らしい、ということくらい。手持ちの図版の粗い年代物の貧弱な図鑑では特定できなかった。検索すれば何かわかるかも知れないが、なかなか時間が取れない。鳥なんかは直接目にすることは少ないのであまり悩まないが、植物となるとこれはもうボクにはお手上げ。せめて良質の大きな昆虫図鑑でも手元にあればと、ときどき思う。

2017年7月5日 前夜は遅くから雨になる。ときおり聞こえる雷鳴は危険は感じないものの部屋の空気を揺り動かし、異様なほど長い間とどろき続ける。こんな天気の時は取りあえず屋根のあるキャンプ場。早朝に小降りになったので出かけたが、予想は外れて昼前まで激しく降り続く。天気予報も急変する天気に追いついていない感じだ。
Sample.mp3 5分39秒、6.46MB 前半は激しく降り始める前の早朝の静かなひと時。後半はやや雨脚が弱まった10時過ぎ。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
キャンプ場に着いてマイクをセットした後でふと気づいたのが、床の上にあるナナフシの死体。前日からすでにこの状態にあるらしい。たいてい黄緑色がかった緑色なので死後に変色しているのか思ったが、もともと褐色の個体のようだ。生きた人間だってそんなに早くは腐らない。腹部の大半は押し潰されコンクリートの床の黒い染みに過ぎなくなっている。やがて眺めているうちに時おり後肢がわずかに動くのに気がついた。食物を捜しに来たアリの仕業と考えて探したが見当たらない。あまり認めたくはないことだが、少なくともまだ一部が生きているらしい。時が経つうちに動きは他の足にも広がっていよいよ大胆さを増し、2時間ほどたった頃には上半身をもたげ始め・・・。昆虫の死は概して当事者もうんざりするほど緩慢である。梅雨どきの飽和に近い湿度がそれを不必要なまでに長引かせる。雨はますます激しく降りしきり豪雨といっていいほどになり、谷川の水かさも増して黄色い水が不気味な音をたてはじめた。陰鬱な梅雨の朝だ。
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