<< >> 過ぎ去った時からへ HOMEへ

 日常のありふれた音の記録です
2015年5月
 2015年6月4日 前回の測定結果、あまりにも異常である。どうもマイクが不調で測定中にノイズを拾っているらしい。そこで改めて周波数特性をとってみた。測定条件は前回と同じ。ただ再生レベルを少し高めにしてあり、バックグラウンドノイズは下方にスケールアウトしている。左が周波数特性で縦軸は20dB間隔、横軸は20Hz〜20kHz。右はインピーダンス特性である。これこそ正常そのもののU字型共鳴管の無茶苦茶な周波数特性だ。ピークとディップだらけで、1kHzの大きなディップは筒抜け状態の開口部からの放射との干渉だろう。4kHz近くまでその影響が出ている。600Hzのディップはユニットの特性で、多分エッジの逆共振。ロールエッジではあまり出ないが、コルゲーションエッジではかなり大きく出るようだ。200Hz以下はいよいよ無茶苦茶で、しかもあきらかな低音不足。150Hzのピークはグラフで見るよりもはるかに凶暴だ。これでは低音も何もあったものではないが、サインウェーブで測定するとずっとスムースになって、50Hzあたりはグッと上昇。その代り100Hz付近を中心に広くて深いV字型のディップができて20dB近く落ち込むはず。どちらにしても無茶苦茶には変わりはない。じつは前機種もこんな感じだった。U字型共鳴管の周波数特性って、まあだいたいこんなもんです。

 2015年5月31日 少し時間ができたので、制作したスピーカーの周波数特性をとってみた。左がフルレンジユニットの軸上1m。右がマイクやマイクアンプのノイズを含むバックグラウンドノイズである。トゥイーターはFT96H。コンデンサーは0.22μFで正相接続。トゥイーターの前面がバッフル面とほぼ一致。音源はホワイトノイズでFFTソフトを使用、FFT300回分の平均値である。縦軸は20dB間隔で、横軸は20Hz〜20kHz。この世ならぬ怪異を目にしたみたいで実に不気味である。バックグラウンドノイズの分を差し引いても予想外にフラット。こんなバカな・・・。800Hz前後のディップは多分ユニットの特性だろう、内面の共鳴の影響もあるかもしれない。150Hzのピークは小さいが、聴感上はかなり耳に付く。特に録音のピークと重なると、ボーボーと咆哮するという感じですさまじい音になる。40Hz以下でもレスポンスがあるが、なぜだか分らない。出るはずのない帯域なのである。サインウエーブで測定すると、またぜんぜん違った特性になると思う。再び繰り返すが、実に不気味である。

2015年5月30日 キャンプ場のサクランボ、今年もまずまずの出来と楽しみにしていたら、これが大間違い。例年になく大量に押し寄せたカラスに残らず平らげられて、ついに口には一つも入らなかった。近くのご夫婦がサクランボを取りに来たがちっともないので浮かぬ顔、カラスに食い尽くされたと説明したら残念そうな顔でお帰りになった。お気の毒様。いままでカラスが手を付けなかったのは、単に食べ物だと知らなかったせいらしい。こりゃ来年からは食えんな。
キャンプ場の中央あたりにある調理場の建物の角のブロックに巣食っていたシジュウカラは、数日後にキャンプ客が大挙して押し寄せ大騒ぎ、その後は給餌に来るのを見なくなった。とっくに巣立ってしまったようだ。巣の中はどうなっているのかと覗いてみたら、ただのブロックの狭い縦穴である。しかも底にはなにか敷いてあるわけでもなく、妙な色をした不可思議な物体が底面に張り付いている。なんか変。よくよく見ると目と尾羽が見える。どうもシジュウカラらしいが飛べないような幼鳥ではない。2度目の抱卵のようだ。
Sample.mp3 2分53秒、3.31MB キャンプ場の谷川の中で。池の水を止めているので、流れは申しわけ程度。朝から風が出ている。こんな日はあまり音にはならない。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
失敗作に終わったスピーカー。何とかセッティングの変更で低音のカバーをと思ったが、考えてみると住居と兼用のリスニングルームの通例として縦のものを横にもできない状態。せいぜい前後左右にいくらか移動できるくらいで、大掛かりな変更などとても無理。これではほとんど効果がない。結局セッティングはそのまま。もっとも専用のリスニングルームならセッティングは自由かというとなかなかそうでもない。縦長に使って壁際に設置といった似たようなパターンが多い。できるのはリスニングポイントの変更くらいだが、ちょうどいい位置がデッドゾーンになっていたりする。スピーカー本体の調整もしてみたがほとんど効果はなし。ところが1週間ほど暇にまかせてあれこれやっているうちにどういうわけか低音が出てきた。変わったのは吸音材を半分にしたことだけ。なぜだかさっぱり分らない。エンクロージャーのエージングというのはあまり信じていない。もしかして耳が次第に異様な音に順応してきたのかも。ただユニット自体はエージングで確かに音が変化している。とにかくこのままメインのスピーカーとして使うことにした。U字型共鳴管の低域の周波数特性は無茶苦茶である。開口部から筒抜け状態で中域近くまで盛大に放出される共鳴音。特定の帯域でボーボーと吠える。広くて深いディップと耳に付く共鳴のピーク。低域はせいぜい50Hz止まり。唯一のメリットは構造が簡単で設計も制作も容易ということなのだが、ここまで巨大化してはそれもだんだん怪しくなってきた。本当にこれでいいのだろうかという気もするが、でももう二回りくらい大型のものを試してみたい気もする。図抜け大一番、失敗でもしたらそれこそ致命的だ。その時は棺桶にでもするか。

2015年5月21日 久しぶりにキャンプ場へ。このところ所用に追われなかなか出かけられない。しばらく前からホトトギスも鳴き始めていて、もうまもなく夏という雰囲気である。雨のあとの大気は澄み切っていて陽光は強烈だ。週末でないにもかかわらずキャンプ場にはめずらしくキャンプの客が一人。しばらくキャンプ場の中で録っていたが、風が出てきて音も遠のいてしまったので、キャンプ場の入り口の林に移動。たび重なる大雨ですっかり石積みが崩壊してしまった道沿いの谷川は、2年がかりでコンクリートで改修。でも工事で周りの木が切り払われて何だかちょっと寂しくなってしまった。でも20〜30年すればたぶん元通り。まあ気長にいきましょう。
Sample.mp3 3分07秒、3.58MB キャンプ場の入り口の林の中を通る道。下の画像の位置で録音。何もないけど、のどかな昼前のひと時だ。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
 
失敗作のスピーカー。さてどうするか、ということでテスト機を製作。材料は何はともかく安価にと、12mm厚の構造用合板を使用。外形314mmW×900mmH×450mmDのU字型共鳴管。ユニット側音道断面積472.7cm2、開口部側音道断面積727.9cm2。ユニットはストック状態のFE126Eを使用。結果はやはりは共鳴管としての限界を超えてしまった感じである。吸音材ゼロの状態でも耳につくような共鳴がまったくなく筒抜け状態。平面バッフルにユニットを取り付けたような開放的な鳴り方で、ボーカルがクセがなく自然。音道面積の変化でずいぶん音が変わるものだ。あるいは板材の強度がないので強烈な共鳴が抑えられているのかも知れない。低音もそこそこ出てはいるが、やはり不足である。というわけで現在思案中。もう少し音道面積を小さめにするか、それとも音道を2回折り返しにしてユニットにホーンロードを掛けるか。何機種か設計はできているが、恐ろしくてすぐに手を付ける気にはとてもなれない。もう少し実験が必要かも?。現機種は低音不足とはいっても、ある程度セッティングなどでカバーはできそう。このまま使用するか。ところで最初はずいぶん大人しいと思っていたFE103En−Sだが、鳴らしているうちに少しづつ高域がほぐれて出てきたようだ。アンプのノイズの聞こえ方が変化している。

2015年5月9日 朝から小雨が降っているが午後は晴れの予報。大降りにはならないだろうと踏んでキャンプ場に出かける。キャンプ場の中央あたりにある調理場の建物に陣取り、マイクは近くの場所にセットして雨宿り。ここで様子を見ていると、なぜかシジュウカラが近くの木にやってきて、この建物の角のあたりに必ず寄っていく。しかもたいてい何か虫をくわえている。前回雨の日にここに来た時もずっと同じだったので、ちょっと気になっていたが、やがてやって来たお年寄りと話をしているうちに明らかになった。マイクをみて曰く、「あそこにシジュウカラがよく来ているけど、鳥の声を出して集めているの」、「いえいえ、録音しているだけです。音は出していませんよ」、「じゃあ、あそこの建物の角のブロックの中に巣があるよ」、「へ?、ブロック?、巣?・・・」。反対側に回ってみるとブロックにヒビが入って穴が開いていて、確かに鳥が出入りしている。でも頻繁ではないが人が来る場所、しかもせいぜい地上1mくらいである。まったくの想定外。後から考えるととうぜん予想されることだけど、最初からまるで考えてもみなかった。思い込みって結構恐い。
Sample.mp3 3分13秒、3.69MB 右下80cmくらいに巣があるらしい。頻繁に虫をくわえて来ては出入りしている。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
作成していたスピーカーはとにかくも完成。U字型共鳴管。外形900mmH×280mmW×450mmD、t=15mm。使用ユニットはFE103En−S。側板とバッフルの一部は2枚重ね。ユニット側の音道断面積は341cm2、開口部側の音道断面積は517cm2。100円ショップで買ってきた吸音材代わりの座布団は大失敗だった。わが家の煎餅座布団とは大違い。もともとフワフワなのが中身を取り出したら3倍にも膨れ上がって手の付けようがなくなった。これでは吸音効果はほとんどゼロである。しかたなく手持ちのグラスウールを使用。ユニットそのものはFEスタンダードシリーズの音色そのもの、むしろもう少しじゃじゃ馬になってほしいくらいでクセもほとんどない。しかしである。これは目にも耳にも明らかな失敗作、現用機の前に置いて音を出した瞬間にガックリきた。低音が出ないのである。というより200Hz位からダラ下がり。もともとU字型共鳴管の低音の周波数特性は無茶苦茶なのだが、さらに低音不足になって、もはや手の施しようもない。Qo=0.2というオーバーダンピングのユニットを甘く見すぎたようだ。あるいは共鳴管としての限界を超えてしまったのか。とにかくユニットに負荷がかからない。もともと高能率ユニット単発の共鳴管は低音がダラ下がりになるのでサブウーファーを併用するのか、コーナー設置で低音を稼ぐのが通例。そこを単独で何とか・・・と考えていたのだが、これは思いもよらぬ大失敗。もう少しQoの大きいユニットを使用するか、音道長を長くしてホーンロードを掛ければ何とかなるかも知れないが、是非とも強力ユニットを使いたいし、長大なJ字型共鳴管なんか怖くて置けない。なんだかだんだん意地になってきたゾ。

2015年5月2日、3日 世の中大型連休のまっただ中。通勤の車がいなくなって朝の騒音も減少。コチトラには願ったりなのだが、4日にはまた雨の予報。というのでせっせと録音に出かける。前回同様上山田方面だが、下の池の堤防を回り込んで谷の反対側で録音。ただしこちらは山の斜面の下がすぐ池という感じで道がないので移動はほとんどできない。堤防から少し入ったあたりに小さな谷があり、藤の木も多いせいかクマバチが充満している。2日、3日ともこの辺りを中心にマイクを置きっぱなしで長時間録音。2日はほとんど真夏日。3日は曇りがちで風も出てきて、午後からは雨になった。毎年あっという間に終わってしまう晩春。今年もせいぜい出かけたい。
Sample.mp3 4分17秒、4.17MB 5月2日 ぶんぶん景気よく飛び回っているのはこの季節限定のクマバチ。これを聞くと”なんてったって春まっただ中”という気分になる。そこらへん中クマバチだらけだ。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
 
作成中のスピーカーは塗装も完了して乾燥待ち。あとはユニットを取り付けるだけなのだが、なかなか塗装が乾ききらない。ついつい急いで厚塗りし、乾ききらないうちにまた塗装を重ねる。結果薄塗りして都度よく乾燥させるよりもかえって時間がかかってしまう。何度ひどいめにあってもちっとも懲りない万年初心者の悲しい性なのである。もっとも塗装っていっても名ばかり。そこは初心者だから極めてずさんでいい加減である。もともと組み立て精度が悪いうえに、下地処理もろくにしないでどんどん塗り重ねるから、あちこち大小の凸凹だらけ。ペカペカと安っぽく光っているのがせめてもの慰めだ。今回は吸音材をグラスウールからポリエステルウールに変更した。なに、100円ショップで買ってきた座布団から綿を取り出し、これも100円ショップで買ってきた洗濯ネットに詰め込むのである。超格安。でも何だかトンデモナイことになりそうだ。連休中には音出しできるかな?。
▲UP 過ぎ去った時からへ HOMEへ