<< >> 過ぎ去った時からへ HOMEへ

 日常のありふれた音の記録です
2013年3月
2013年3月24日 人工ヘッド付きのIsophonic Microphone ”Pelias”が完成。部品の入荷が予定よりも早くなり、急遽制作となった。もっとも大部分の制作はすでに完了しているので1週間程度の作業である。”Solomon”よりも高感度・ローノイズタイプで、フィールドでの環境音の録音ではこちらがメインになる。外観・仕様は”Solomon”とほぼ同じ。ただ幾分軽量になってはいる。これは単にガワが薄いからで、その分中身が詰まっているのかというとそんなことはなく、カラッポである。製作者の軽薄なアタマと同じだ。といっても強度的にはまったく問題はない。どのヘッドにも皆一様に首輪がついているがコレは何かというと、ヒモを付けて台車に乗せ朝晩近所を散歩させてご機嫌をとろうという訳ではない。バッグから出して三脚に取り付ける時に、ここを持ってヨイショ。100円ショップで売っている犬の首輪で、ヘッドの落下防止用である。市販のダミーヘッドでは頭頂部に吊り下げ用のネジ穴があり、これにナベブタツマミ様のものを取り付けることもあるようだ。
Sample.mp3 1分55秒、2.19MB 初録音としてはなんとも情けない結果になった。お日和はいいのだけれど・・・。人工ヘッド"Pelias"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
録音していて意外と困るのかこのメモリーレコーダーと三脚の関係。録音時には三脚のチルトハンドルからぶら下げているが、問題は持ち運ぶときである。人間が肩から提げて持ち運べばいいのだが、面倒だから三脚からぶら下げたまま持ち運ぶ。これがまことに具合が悪い。三脚もレコーダーも軽量とはいえ丈夫な金属製。お互いに意地を張り合って犬猿の仲。ぶつかればタダではすまない。何とかならないか、と考えて半日がかりで製作したのがコレ。なんの工夫もアイデアのカケラもないただのフクロである。PCM−D50は録音時に必要な操作・接続箇所が前面と側面の2ヶ所に広く分布しているので、開口部のあるケースは作りにくいし、どのみち開口部の蓋が別途必要になる。なかなかに面倒なのである。そこで出来たのが一辺にだけ開口部を持つシンプルなケース。開口部は隙間からマイクコードとストラップを出して、あとはマジックテープで閉じる。これで操作上あまり不便はないが、困るのは録音中に表示が見えないこと。何かいい方法はないものかな。

2013年3月12日 最近録音レベルが何となく低いな、と思いはじめたのは1ヶ月ほど前のこと。変だなとは思いながらも以前の記憶は定かではない。そのまま録音を続けていたが、ある日録音機を眺めていたら−20dBのアッテネーターがONになっているのに気がついて、あわてて解除した。実にのんきなものである。20dBは大差、それではマトモに録音できないのではないか、というと意外とそうでもない。この状態でも過大入力でクリップしているファイルがある。環境音のレベル設定の幅は意外と広いのである。これから何が起こるのか分からない環境音では、これがベストという設定はない。録音が終了し聞き返して初めてそれが分かるのだから始末が悪い。しかもベストは一つだけとは限らない。うんと低めに設定しておけば一応安心だが、クォリティは確実に低下する。
Sample.mp3 2分15秒、2.59MB 霜の降りた朝、谷の入り口から1.5kmほど離れたキャンプ場の上の道。早朝はさまざまな音が這い登ってくる。1km下の民家の犬の声、3km先の電車の音。近くの道路を走る車の騒音。地面が暖まるまではいつもこんな感じだ。小型マイク"Kalivan"とPCM-M10で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
3月の始めの暖かい陽気ですっかり脳天気になったお天道様は、宙天高く舞い上がって春の到来を声高に告げているが、ここ数日は再び霜が降りる冬並みの天気、日中もあまり気温が上がらない。いったいこれのどこが春だっていうんだ、責任とってもらおう。そんな人間の思惑にはお構いなく季節は確実に移り変わっている。いつもの年より開花の遅い梅の花はいまや満開、アカガエルの卵からは小さなオタマジャクシが生まれている。これから梅雨明けまでは一年でいちばん音が多く楽しい時節である。暇を見てせいぜい出かけなければと思っているが、5月にはマイクの制作が控えている。なかなかそう都合よくはいかないんだよな。
▲UP 過ぎ去った時からへ HOMEへ