<< >> 過ぎ去った時からへ HOMEへ

 日常のありふれた音の記録です
2008年12月,2009年1月,2月
2008年2月28日 2月はついにどこにも出掛けられなかった。休日は雨はかり、というのはもっともらしい理由にでもしてみたいところ。3月は少しでも暇を見つけて出掛けたいものだ。というわけで時間の無いときの骨休め、またもビンボーオーディオネタでごまかすのである。でもこれ、常套手段・・・になってはいけないのである。・・・ま、いいっか。

(2008年2月24日) 前出の無料のアンプ、最初はどうしようもないと思っていたが、数日経つうちにオヤと思い、5日、1週間と経って少し変わったなと感じた。再エージングってあるのかな。これならどうにかなるかも。
そんなことをやっているうちに思い出したのが、7年前ゴミ収集場で回収されずに雨ざらしになっているのを拾ってきたアンプである。引っ張り出して聞いてみた。これが音がまるで違う。あまりにも違うのでスペアナで周波数特性を取ってみた。当たり前だが20Hz〜20kHzフラット。実は前出のアンプも最初あまりに音が変だったので周波数特性を取ってみたのである。もちろんこれもフラットだった。
この拾ってきたアンプ、あらためて調べてみたが詳細は不明である。今はオーディオから撤退してしまったメーカーの華やかなりし頃、1970年代後半の製品で、定価はおそらく3万円台後半、出力は30〜40W×2くらいだろう。じつに30年も昔の製品ですでに古代史物なのだが、いまだにオークションには登場している。デザインはいかにもローコスト。しかしパネル面は意外と贅沢で、2つのセレクターとバランスのノブが無垢のアルミ、ボリュームとトーンのノブは無垢ではないものの金属部分はけっこう厚手だ。見かけによらず重量があって量ってみると8kg近くある。Aクラスアンプではないはずたが発熱量は極めて大、ヒートシンクが怖いほど熱くなる。一体どうなっているんだ。ノイズは多くライン入力でも3m離れて耳につくほど。このクラスで出力メーターがついているというのも珍しい。
引っ張り出したついでに少し手を加えてみようと思いついた。実は7年前に有り合わせの安物のコンデンサーをいくつか電源に追加している。で、あれこれ試した結果は結局元のままが良。それでは面白くないので、出力段の配線の強化をすることにした。最初3.5スケアの撚り線を試したがちょっとガサついて変。そこで1.6φの単線に換えたら今度は困ったことが起きてしまった。もともとハイバランスのアンプだが、音を聞いていると鋭利な刃物でグサグサと突き刺されているような気分になるのである。原因は1μFの積層セラミック。効果は特に大きいが癖も大きい。どうしたものかと付けたり外したりしているうちに、ふと思いついて指でつまんでみた。音が変わるのである。早速自己融着テープと鉛でダンプ。でも癖がある上にまるでエネルギーを吸い取られているような異様にふにゃけた音だ。次にエポキシ接着剤と鉛で固めたが、接着剤が硬化するにつれてだんだんやかましくなってきた。最終的に木工用ボンドを付けた薄紙と鉛を貼り合わせたテープ状のものをエポキシ接着剤で巻きつけた。これはまあまあだった。でも何ヶ月か経ってみないと本当のところは分からない。
まだまだやりたいことはあるが、時間が無いので今回はここまで。積層セラミックコンデンサーは容量の電圧依存性があり、もともとオーディオ用ではないので振動対策もされていない。効果はあるけれどなかなか一筋縄にはいかないようだ。高価なオーディオ用のコンデンサーを買ってくれば話は早いが、「安物」というこのアンプの唯一の美点が損なわれてしまう。そんなことは絶対にイヤだ。安物にはそれなりの分相応というものがあり、安物の値打ちがある。これでいいのだ。

2009年1月28日 数日前、夜中に近くを猫と散歩をしていたら前の道をテクテクとやって来るものがある。いつものタヌキと思ったのだが、やけに色が白っぽくて体も大きい。タヌキよりは犬に近い体型だ。このあたりに野犬はいないはずだし、散歩に抜け出した飼い犬にしては態度がいやによそよそしい。もしかしてホンドギツネ?。タヌキは数年前から頻繁に出没していて、夏にはスイカを転がして持って帰るという話も聞くが、キツネはこの辺りではまだ見たことがない。あれはなんだったのだろう・・・。
Sample.mp3 1分42秒 1.95MB 冬の日はゆったりと暮れる。長いたそがれの中にひととき現れるトワイライトゾーン。逢魔ヶ刻という言葉が浮ぶ。でもボクが出会ったのは、幼稚園・保育園に巣食う小悪魔どもと、それを迎えに来たお母さんたち、というありふれた日常の風景だった。実験用マイク(Experimental microphone)とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
(2009年1月25日) 見捨てられてまもなくゴミになる運命のアンプ。哀れに思い拉致して譲り受けてきた。実は当初某メーカーの往年のハイCP機と思っていたのだが、実物をよく見るとまったく別のメーカーの知らない製品。見るからにローコスト機といった感じで、いかにも間に合わせに作ったようなデザインだ。さすがにやめようかと思ったが、中を覗くと外観に似合わず整然としていて電源もそこそこには強力。しかも無料、である。こう来ては安物大好きのケチケチ人間としては放ってはおけない。かくしてわが家に連行することになった。
調べてみると15年ほど前の製品で定価は45000円。重量7.3kgは当時の他社同価格帯の製品と比べても軽量級。装備はさらに軽量でボリュームとセレクタースイッチ2個と電源スイッチのみ。トーンコントロールもヘッドフォンジャックもバランスツマミもなければ、ラウドネススイッチもローカットフィルターもなし。パネル面にただ一つ華を添えているのは直径2mmの小さな赤い電源表示の発光ダイオードだけ。シンプルを通り越して無愛想なデザインだ。ボディは過去の機種の使い回しで、内部には省略されたスイッチ類の取り付け穴がそのまま残っている。出力端子はこれも旧機種からの流用で、2組ある端子は並列接続。バイワイアリング対応などとしているのは単なる言い訳である。ヒートシンクは六角の蜂の巣状。内部に発振防止用のコイルは見当たらない。出力は8Ω負荷で30Wと小さめだが、4Ωで60wと倍になる。スペックとしてのfレンジとS/N比はこのクラスでは優秀。基板はシンプルに見えるが、上級機の転用。ボリューム本体が前面にあるので入力信号は基板を一巡りしているし、部品は広い範囲に散在してその間を150本を超えるジャンパー線が縦横に走っている。
まずは電源を入れる前に手入れから。掃除機とモップで内外の埃を払い、雑巾でゴシゴシと磨き上げる。きれいになったところで恐る恐る電源を入れ、火を噴いたり煙を出したりしない事を確認。用心のために出力端子の電圧をテスターで当たってみる。DCオフセットは1mV前後と小さく、電源を入れたままスピーカーにつないでもプツリとも音がしない。取りあえず鳴らしてみたが、セレクタースイッチとボリュームにガリがある。セレクタースイッチは数百回、ボリュームは百回くらいグリグリ回してどうにか復活。音は?、というと耳障りな癖はないが、気の抜けたサイダーみたいな音だ。異様に冷たいアンプで、ヒートシンクも電源トランスもいつまでたっても暖かくならない。この冷え切ったアンプにはウォーミングアップという言葉は存在しないのではないかと思えるほどだ。それでも電源を入れたまま一晩おいて様子を見ることにする。寝ている間にバクハツしなければまずは一安心である。
翌日に改めて試聴、印象はやはり前日と同じ。ちょっとどうもという感じである。少しばかりいじってみたが、素人が小手先技でどうにかできるというものではなさそう。なかなか手強い難物だ。相手が希望の片鱗でも見せればこちらもやる気が出てくるのだが、これではどうしようもない。時にはブツの素性と己の力量を見定めて見切りをつけることも必要。でもまだ未練はある。それともこんなアホなことをしているオノレ自身に見切りをつけたほうがいい?。それもそうだな。
(2009年1月15日) 去年の8月からあれこれ改造しているペア5600円の格安スピーカー。周波数特性は一応フラットなのだが今ひとつ音がソフト。単にトゥイーターのレベルを上げるというのもつまらないので磁気回路を強化。4個105円のマグネットを買ってきて、トゥイーターとスーパートゥイーターの背面にペタリと貼り付けた。内磁型なのであまり期待はしていなかったが意外に効果あり。調子に乗ってもう一つ貼り付けて2段重ねにしたらこれはやり過ぎて妙な癖が出てきた。いい加減にも程々ということがあるのである。そこで1時間ほどホワイトノイズで強制エージング。煮たり焼いたり冷ましたりと、やっていることが支離滅裂なのだが、ともかく癖はとれて結果としては成功。こうなるとひ弱なフルレンジとの差が目立ってきた。こちらもマグネットを強化したいが、すでにユニットに合わせてチューニング済みなので、いまさらどうしようもない。だいいち大型のマグネットは安くはないのである。格安だけが取柄のこのスピーカーにそんな費用をかける気はさらにない。

2008年12月24日 出掛ける暇がなかなかとれず、一ヶ月ぶりの更新となってしまった。局地的に時間の進行が早くなっているとか、時空に亀裂を生じているとか、不況で目減りしているというわけでもない。時間はいつも通りあるのだが、ここしばらくその使途に変調を来たしているのである。それではまたぞろアホなことでも始めたのか・・・、実はそうなのだ。もっともその使途の変更の3分の1は朝に夕にと眠りこけているのだが、差し障りがあるので残りの詳細は語れない。あと数ヶ月から半年はこの状態が続きそう。拙サイトをお訪ね戴いている皆様にはまことに申し訳ない次第なのである。
というわけで今日はホントに久しぶりにお出掛けある。場所はいつも通り近場の円張川。朝というには時刻は遅く、日陰の霜も融けかかっているが、山はもうすっかり冬の音だ。道路から20mほど下った谷川の傍で録音。道の近くの方が音は豊富なのだが、車の通行が多いし遠くの騒音も入ってくるので、マイクを置くのはためらわれる。そのままここで昼前まで録音して引き上げ。結果はやはり今ひとつだった。
Sample1.mp3 1分02秒 1.20MB このところ意外と雨の日が多いように感じているが、谷川はすっかり枯れてしまっている。僅かな流れがあるのはここと上流のもう一箇所だけ。この場所では夜明け前から来ないとなかなか録音は難しい。人工ヘッド"Alqays"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
Sample2.mp3 44秒 877kB ついでにPCM-D50の内蔵マイクで5分ほど録音してみた。場所と方向は人工ヘッドとほぼ同じ。マイクの開き角度は120度。単なる単一指向性、それもワンポイントに近いマイクたが、ヘッドフォンで聞くとそれなりに上下左右前後が出て立体的に聞こえるのは面白い。周波数特性はフラットではないが、編集ソフトで十分補正可能だし、耐入力もあまり無理な使い方をしなければ大丈夫だろう。唯一つ欠点と言っていいのはやはりノイズの多さである。静かな場所の環境音の録音にはちょっと使えない。久しぶりに録音してみて改めてそう感じた。PCM-D50の内蔵マイク(PCM-D50 Built-in microphone)で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
最近わが家の極悪猫の話題がない。平穏無事なのである。家に帰ると廊下をモグラが走り回っていたとか、部屋の中からネズミの腐乱死体が発見されたとかいうありふれた出来事は、いまさら取り上げるほどのものではない。とはいえ最近ちょっとした事件があった。ある日寝床にしている棚の上から猫がベッドもろともパソコンの上に墜落。キーボードにダブル猫パンチを食らわせてくれた。おかげてキーが2つ飛び出したが、これはパチンと押し込んで事無きを得た。しかし惨事はこの後に起こったのである。以前から調子の良くない” ] ”のキー、ついでに直してやろうとエイッと力任せに引きむしったら、中のパンタグラフがボキッと真っ二つ、大破である。買ったときからあちこち具合の悪かったパソコン。とうとうキーボードまで壊れやがって。コイツぁいよいよ生かしちゃおけねえ。木っ端ミジンに打ち砕いて風呂焚きに。と思ったが考え直して修理中。ツマラナイことで短気を起こしてはいけないのである。
▲UP 過ぎ去った時からへ HOMEへ