<< >> 過ぎ去った時からへ HOMEへ

 日常のありふれた音の記録です
2008年10月,11月
2008年11月28日 これまであれこれ改造してきたペア5600円の格安スピーカー。ついに最後まで残っていた吸音材に手を出した。まずはユニットを取り外し、すべての吸音材をバリバリと引きむしって放り出す。あとはエンクロージャーの上部半分、バッフルと裏板の中間に一枚だけ空間に吊るすように取り付け。吸音材の量は最初の5分の1になった。結果はというと、バスレフダクトから飛び出してくる900Hzの強烈な共鳴にはあまり効果がなくやや減少という程度。吸音材の激減で内部に定在波が盛大に発生してさぞかしひどい音になるのではと心配したがそんなこともなく、むしろ振動板を押さえつけられたような窮屈な鳴り方が軽減した。900Hzの共鳴は中の状態を詳しく調べないと有効な対策は不可能だし、無理やり押えつけてしまうのもどうかという気もする。周波数特性はいよいよ無茶苦茶になったが、これはもう今さらという感じである。というわけでとうとう3ヶ月も楽しく遊んでしまったわけだが、そんなアホなことをしている間にはとっととホームページの更新でもしろ、とお叱りでも頂戴しそうだ。でもこれは暇のない時の安上がりで手間の掛からないオイラの息抜きなのである。

2008年11月22日 今年は行けないものと思って前日まですっかり忘れていたのだが、ふと気が付くとこの土日あたりが例年では開催日。調べてみるとやはり22日と23日の二日の予定である。そんなわけで慌てて出掛けることになった。前回に出掛けたときから実に4年ぶりである。7時半過ぎに現場に到着、天気は上々だ。すでに堤防の道路には警備員が出て整理に当たっている。毎年のことなのだが、今年もまだ気球の立ち上げの準備が始まったばかりだというのに、会場に張り巡らされたロープの前にはカメラマンが列を成している。最初のフライトはヘアー・アンド・ハウンド。ところが前回来た時とはまったく様子が違っていて、ロープの中に入って撮影する人は一人もいないのである。従来からエリアは別れていて一応立ち入り禁止ということになってはいるのだが、その辺は鷹揚で割と自由に出入りできていたのが、最近は随分厳しくなっているようだ。とりあえずロープ越しに録音を始めたが、すぐ後ろにPAのスピーカーがあっていい状況ではない。飛び立った気球の帰還を待って、10時過ぎからは4機が一般の見物人を乗せての係留フライト。こちらは以前から暗黙の了解という感じで出入りは自由、今回も何とか入れたがやはり状況は変化しているのを感じる。PAのスピーカーからはかなり距離がとれるがなかなか逃げ切れないし、そのうちステージでバンドの生演奏も始まった。昼近くなると風が出てきて1機がひしゃげてダウン、1機は係留ロープが外れてこれも飛行中止。残りの2機だけが昼前までがんばっていた。べつにどうでもいいようなものだが、午前中だけで人工ヘッドのマイクについて「それは何なのか?」と十数回も聞かれたのは驚いた。近年こんなことは珍しい。
Sample1.mp3 1分18秒 1.50MB 会場の一般見物人側の様子。毎回同じような露店や催し物が出ているが、今回は陸上自衛隊の展示もあった。人工ヘッド"Alqays"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
Sample2.mp3 1分53秒 2.16MB アッテネーターは−20dB。一般の見物人を乗せての係留フライト。12.5kHz付近の耳障りなピークの原因は良く分からない。オリジナルのファイルから入っている。人工ヘッド"Alqays"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
風が強くなってきたので昼からの競技は2時30分からのミーティングで実施を決定ということになったが結局中止。ただ何機かはフライトを行なうということで車で出発していった。こちらはそれを当てにしてランディングを録ってみようと出掛けたが、なにしろ気球は風まかせ。風向きからすると着地可能場所は限られていてしかも狭く、すぐ向うには高圧送電線が控えている。そこから先に行ってしまうともうどこに着地するか皆目見当がつかないという具合だ。会場では3機の気球が立ち上がっているが飛行はしていない様子である。待つこと1時間ほど。やっとやって来た1機はどこに着地するか見当が付かず、あちこちうろうろした挙句にあわてて録音の準備を終えた途端、100mほど手前で墜落するようにストンとあっけないランディング。この風ではどうしようもない。諦めてに会場に引き返して最後のイベント待ち。このバルーンイリュージョンは予定より早く開始したが、なぜか今回は一般の見物人は立ち入り禁止、やはりロープの外からの録音となった。川の向こう岸に大勢カメラマンが並んでいるのは多分その影響もあるのだろう。気球のライトアップと同時に和太鼓の演奏も始まるので、そちらの方が大きく入ってしまう。まだ明るさの残るうちから始まったイベントは予定よりもかなり早い時刻にあっけなくい終了を迎えた。というわけで気球に自由に近付けないのと、大幅に縮小されたフライト、のべつ幕なしに入ってくるPAの音で、何を録音しているんだか分からないような一日となってしまった。次回はどうなっているのかな。

2008年11月12日 ★メールアドレス変更のお知らせ★
ご注文欄のメールアドレスを変更いたしましたのでお知らせ申し上げます。なお今後不定期にメールアドレスを変更することがございますので、ご注文・お問い合わせなどの際はまことにお手数ですが事前にメールアドレスのご確認をお願いいたします。

2008年10月26日 朝から小雨が降っているが、今月は今日が出かけられる最後の日なのでせっせと朝からと出掛ける。場所は前回と同じ円張川だが、位置はもう少し下流。道路との段差が4mくらいの場所で谷川の中まで下りて、流れを跨ぐように三脚をセットして録音。このところの雨のおかげで水量も少しは増えている。流れの音はともかくとして、なにしろこんな天気なので、音の方は寂しい限り。昼前までがんばってみたが、ほとんど水の音ばかりという結果になってしまった。稲刈りもほぼ終わり、柿の実の熟する季節。周辺の音もこれから少しずつ増えて近くなっていく。録音にとって晩秋もまた楽しい季節である。
Sample1.mp3 1分24秒 1.62MB 道のすぐ下の谷川の中で録音。マイクはかなりローアングルにセット。ヘッドの耳の位置は地上50cmくらいである。人工ヘッド"Alqays"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
Sample2.mp3 1分06秒 1.26MB 。すぐ近くだが場所を変えて、同じくローアングルにセットして録音。流れの音の他はほとんど無音だ。人工ヘッド"Alqays"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
ペア5600円の格安改造スピーカー。性懲りもなくまたまたネットワークの変更である。トゥイーターとスーパートゥイーターの相をオリジナルの状態に戻してみる。10kHz〜15kHz辺りの大きなディップはなくなり、6kHzからのレベルの上昇は高域側へ移動して少し減少。しかしまだハイ上がりで多少耳障りである。つぎにスーパートゥイーターのみ相を逆に変更(トゥイーターのコンデンサーも、その後4.3μFから3.3μFに変更)。周波数特性はトゥイーターの軸上約1mでグラフのようになった。縦軸の目盛りは20dB間隔。低域は65Hzで−10dB。ローエンドが落ち切っていないのはバックグラウンドノイズの影響である。900Hzのピークはバスレフダクトからの放射で、ソースによっては少し気になることもある。エンクロージャーの中央に吸音材を宙吊りにすれば収まるかもしれないが、面倒なので試していない。6kHzのピークと15kHzのディップはほとんど耳に付かないようだ。低域のディップも同じ。ただ一つ失敗したのはウーファーのダンパーを削りすぎたこと。実用上は差し支えないが、ボイスコイルが磁気回路から飛び出すような大振幅時に、ボイスコイルボビンと磁気回路が接触することがある。静的には問題なくても動的には特定の状況でコーンがローリングを起こして接触するようだ。とはいっても実際にやってみなければ分からないし、分かったときにはすでに遅すぎるのである。まあこんなものか。全体としてはクールだがややソフトタッチな音色になった。まだ調整の余地は十分ありそうだが、これ以上改造していると本体がガタガタになって元も子も無くなりそうなので、いい加減に打ち止めとする。この周波数特性だけ見るとまずまずのように見えるが、実は偶然フラットなのはトゥイーターの軸上だけ。上下にマイクを数センチ動かすだけで、大きくて深いディップができたり、ひどくハイ上がりになったり、まるでノコギリの歯のようになったりと、それはもうホントに目を覆うばかりの無茶苦茶な状態なのである。それでもこのスピーカーに特有の一定の音色のようなものがあるようで、ステレオ再生では取聴位置による音色の変化は意外と分からない。というわけで2ヶ月近くあれこれ楽しんできたわけだが・・・。コレ、自作の時の参考には全然ならないし、この経験を元にン万円、ン十万円の市販スピーカーを改造するなんて空恐ろしいマネはとてもできそうにない。はっきり言って何の役にも立たない暇つぶし。今にしてつくづく思うのだが、やはり我ながらケチでアホなのである。
2008年11月8日 ペア5600円の格安スピーカー。ソフトタッチな音色がどうも気になる。で、またまたシツコク変更である。トゥイーターの3.3μFを1μFに交換。ユニット同士の干渉で落ち込んでいた2kHz〜6kHz辺りが少し上昇した。まだ不満はあるがこれ以上は無理だ。こうなるといよいよフルレンジ+スーパートゥイーターという構成で、トゥイーターはただオマケに付いているだけという感じだが、一応それなりには効いているようだ。3つのユニットが一致協力して、というよりお互いに牽制しあって何とかまともそうな音が出ている、というのが今の現状。周波数特性は下図のようになった。もちろん偶然フラットに見えるのはトゥイーターの軸上だけ。少し場所を変えると以前にもまして無茶苦茶な特性になる。わずかの間にユニットの性質がどんどん変化してきているようだ。この無茶苦茶な周波数特性だけ見ると、よくもまあこれでマトモな音が出るものだと呆れるのだが、別の場所で測定するとまた別の無茶苦茶な結果が出る。無茶苦茶と無茶苦茶がほど良くまざりあって、いい加減な音になるのである。ウチでは衣食住、家具調度から人間に至るまでみんなそうだ。

2008年10月16日 しばらく家の中でカンヅメになっているうちに、いつのまにか秋も本番。早い田ではぼちぼち稲刈りが始まっている。朝夕の冷え込みも少しずつ厳しくなって、わが家の極悪猫も夜遊びに出掛けている。家の近所には夜な夜な猫ほどの大きさのダヌキが出現。まだほんの子ダヌキで顔が細長い。11日にも出かけてみたが、残念ながら音の方はなし。今日は日の出前に家を出て、久しぶりに円張川へ。来た時はまあまあの状態で、あちこちでウグイスが鳴き始めていたが、すぐに他所へ移動してしまった。しかたがないので、何度も場所を移動しながら音を追いかけて録音。気温は15度ほどだが、直射日光は暑いほどだ。散歩していると何台か車が止まり、山の中へ姿を消していく。キノコを採りに来た人たちである。
Sample1.mp3 59秒 1.14MB 道のすぐ下が谷川になった場所で録音。このあとしばらくするとキノコを採りに来た人が二人やってきて奥の谷の方へ入っていった。人工ヘッド"Alqays"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
Sample2.mp3 1分15秒 1.44MB 音が少ないので谷川との距離をとりたかったため、道から谷川へ下りる途中のひな壇のようになった場所で録音。人工ヘッド"Alqays"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
2008年10月11日 ペア5600円の改造スピーカーはさらにエージングが進んで、ネットワークの定数をまたまた変更。トゥイーターに直列に入れた抵抗が5.6Ωから12Ωに変更になった。結構シツコイのである。結局フルレンジにスーパートゥイーターをプラスしたという感じで、これに3kHzから20kHzくらいの広い範囲でほんの味付け程度にトゥイーターが加わる。周波数特性はややハイ上がり気味だが、高域は3つのユニットの干渉で山あり谷ありの楽しいもの。というよりハッキリ言ってもう無茶苦茶といった方がいい状態である。これで何とか音が出るのだから不思議なくらいだ。しかしもっと厄介なことが起こってきた。鳴らし込むにつれて、高域が目に見えて上昇してきたのである。聴感上も明らかなハイ上がり。試しにスーパートゥイーターの相をオリジナルの状態にしてみたが、これは周波数特性がほとんど変わらないにもかかわらず、妙にソフトタッチの異様な音になったので元に戻した。まだまだエージングで変化する可能性があるので、あわてて手を出すのは得策ではない。さてどうしようか、と今思案中である。
▲UP 過ぎ去った時からへ HOMEへ