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 日常のありふれた音の記録です
2008年9月
2008年9月23日 9月というと音は枯れ時。山の中よりもむしろ平野の人家の回りの方がずっとにぎやかになる。それは承知でキャンプ場までお出かけ。円張川にも回ってみたか、こちらは流れもなくほとんど静寂状態。キャンプ場の谷川も枯れ果てていて、僅かに水が流れている貯水池の排水口の下で昼前まで録音。でも結局ほとんど音がない。9時過ぎから車が次々とやって来て、総勢30台あまり。このキャンプ場には珍しく駐車場は満杯になった。何かの団体の行事のようだ。音のない時期なので、ゆっくりと午後遅くまで録音すれば面白そうだが、残念ながら時間切れ。昼前に早々に引き上げる。
Sample.mp3 1分47秒 2.05MB 貯水池の排水口の下。午前中だがセミの声も鳥の声のまばら、ほとんど音はない。その中から2ヶ所を取り出して繋いでみた。人工ヘッド"Alqays"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
ペア5600円の格安改造スピーカー。その後も少しづつエージングが進んで、ソースの音の差も意外と出てきたが、気になるところも出てきた。低域の不足はどうしようもないが、ややハイ上がりなのが耳についてきた。もともとウーファー用のフルレンジが少しハイ上がり気味なのが原因なので対策は難しい。中間のトゥイーターをオフにすると一応フラットに近くなるが、なんとも気の抜けたような音になる。この辺は周波数特性だけでは分からない。フルレンジの高域をコイルでカットするのも手だが、費用が掛かるしできればスルーで使いたい。トゥイーターのレベルを下げでローをもう少し下まで引っ張るというのも考えているが、しばらくはエージング待ちで様子見である。などとバカな事をやっている間に、2年前からストックしているユニットのf社の12cmユニットのエンクロージャーを何とかしなければと思うようになった。最初の設計の1200mmH×600mmD×360mmWのはさすがにあきらめてもう少し小型のを設計。6年前からストックしている旧型10cmのユニットも早く何とかしたい。あまり長く放っておくとエッジがクサってしまう。結局限定版の13cmユニットはスペックを見てあきらめた。音の好みの問題、と思う。なんだか気ばかり忙しいこの頃なのである。

2008年9月10日 8月初めの猛暑もどこへやら、後半の夏は豪雨に洗い流されて、9月に入ってしまうとすっかり秋の様相になった。朝から雲ひとつない天晴れな上天気。しばらく出掛けられなかったオイラはすっかり浮かれ興じて表に彷徨い出し、もよりの駅でやって来た電車に吸い込まれてJRの圏内へ。トンネルを5つ抜けて吐き出されたのは高梁川沿いの伯備線は美袋駅。駅を出て歩いているとふと妙な気分になっていることに気がついた。まだ午前中なのに、まるでもうすぐ夕飯にでも呼ばれそうな気がするのである。陽光というより空気の色、何かが以前とはたしかに違っている。もう夏は過ぎ去ってしまったのだ。線路を渡り志鳥谷に入って夕方まで過ごす。谷の上の民家のある辺りまで上ったら、ほっとするような夏の木々の樹液の香りがまだかすかに漂っていた。
Sample.mp3 1分43秒 1.96MB 谷川の流れ、夏の名残りのセミの声、鳥の囀り。さまざまな音が聞こえてくる。これといった中心のない雑然とした音は、いかにもこれがナマ録、といった音源に比べて意外とその場の雰囲気を録音・再生するのは難しい。人工ヘッド"Alqays"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
5600円の改造スピーカー、その後若干の変更があった。ネットワークと吸音材。トゥイーターは直列の4.4Ωを5.6Ωに、スーパートゥイーターは1.47μFを0.8μFに変更。フルレンジのエージングが進んだせいと思う。あとは吸音材の追加。というより配置換えして減らしていたのを再追加した。バスレフダクトから900Hzくらいの強烈な共鳴が出てくるのである。バッフル〜裏板間の共鳴とダクトの干渉の結果と思うが、原因は不明で効果的な対策がない。6kHz付近のピークはユニットのセンタードームが原因のようだ。多分fhではない。高域は14cmのフルレンジとしては良く伸びている。最後にアホの締めくくりとして、実費600円ほどでスピーカースタンドを製作。
メーカーの製品を改造するのは自作とはまた一味違った楽しみがあり、いろいろ考えさせられる事もある。ン十万円のスピーカーを買ってきたその日のうちにバラバラにするのは気が引けるが、7割引き5600円なら遠慮はいらない。それにこの価格帯だとひと癖もふた癖もあるからそれもまた楽しみだ。改造に必要なのはあきらめである。ブツの素性を明らかにし、その限界を見極める。投げやりな諦めではなく周到な調査による明らめである。でもって改造。
中高域はネットーワーク変更の小技で何とかなるが、低域は大技というよりは力仕事だ。原因は小さすぎるエンクロージャーに無理やり押し込められたひ弱なユニットにある。ユニットのダンパーのカットは禁断の反則技。劇的な効果はない上に、取り返しのつかない致命傷にもなる禁じ手だ。
無難で安全なのは内容積の増加とバスレフダクトの大型化。穏やかな方法としては、裏板をブチ抜いてハコを追加するという手がある。本体より少し小さめに作って黒く塗装すれば目立たない。
さらに安直な方法として、底板に大穴をブチ開けて自作のスピーカースタンドと一体化し、スタンドの内容積を利用するという方法もある。これだと2倍くらいには増量可能だ。大きすぎれば石でも放り込んで減らすこともできる。スピーカースタンドはどのみち必需品だから一石二鳥。多少見栄えが悪くても、自作スタンドの上に乗っかっていると思えば立派なものだ。問題なのは改造が終わるまでスピーカー本体が無事でいられるかどうかということ。こればかりは保証にも限りがある。
格安スピーカーの改造は楽しいが、人には言えないとても悲しい事実が一つだけある。それは結局そのユニットなりの音しか出ないこと。愚かな高望みは禁物。改造ではどうしようもない圧倒的な物量の差なのである。
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