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 日常のありふれた音の記録です
2008年6月
2008年6月25日 上山田から鹿忍に抜け、道路から少し離れた山裾へ。いつものおなじみの場所である。北側の斜面の畑はかぼちゃ畑に変わり、ちょうど食べ頃の実が成り始めたばかり。水田は水が入って苗は10cmほど顔を出している。薄曇りの状態で回りの騒音が避けられないので、貯水池の下の少し奥まった場所の林の中にセット。池から流れ出る小さな川は黒く淀んでいて、梅雨の雨で地面は少しぬかるんでいる。日差しも強まってきたので、一時間半ほどで場所を上の道に移してみたが、後で聞いてみたら15分ほどでバッテリー切れだった。離れて遠くから耳にしている様子とはずいぶん異なり、後で聞いてみた音は近すぎてレベルオーバーしているか遠すぎて環境ノイズに埋もれているかのどちらかに二分されてしまってイマイチ。騒音も思った以上に入りこんで来ている。所用もあるので昼前に早々と引き上げ。6月は出掛けられるのはもうこれが最後かな。
Sample.mp3 1分34秒 1.80MB 近くを道路が通っていて工場もあるので、騒音を避けて奥まった場所にセットしてみたが薄曇りの天気では逃げ切れない。航空機の音もほとんどひっきりなしだ。人工ヘッド"Alqays"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
Jeffrey Andersonさんのブログ、Bird vs Alligatorにリンクさせていただいた。バイノーラル録音を行なうためのダミーヘッドマイクの原理は、一見理路整然としていて何も不合理な点はないように見える。改善の余地は統計的な精度に集約され、アマチュアには手に負えないような問題と思われている。ゆえに常識と分別のある人は現状に満足して、進んで研究に手を出そうとはしない。あえて無謀に挑戦するのは立体音響に憑かれた少数の人たちだけである。しかしバイノーラル録音自体不完全で矛盾に満ちており、人間の立体聴に比べれば限定的で特殊なものでしかない。メーカー製のダミーヘッドマイクも、頭部や耳の形は各社各様であり、音場の再現性もまた各社各様。自分の頭部と耳を使う最も簡易なリアルヘッドによるバイノーラル録音が、しばしば個人差の影響を超えて高価な市販のダミーヘッドマイクの音場再現を上回ることもある。アマチュアの介入する余地はまだまだ十二分に残されていると思う。Jeffrey Andersonさんの取り組みもいつか良い成果をもたらすに違いないし、その兆候をすでに感じている。

2008年6月18日 庭の椿の木にチャドクガの幼虫が大発生。木の近くに行くとパラパラと雨の降るような音がする。何なのかと思えば葉っぱに隙間なくぎっしりと整列して食い尽くしていく毛虫の糞が落ちる音。3本の木が丸裸同然になった。食にあぶれた毛虫は集団で放浪の末に大量に餓死して自滅。残りはなんとか別の木にたどり着いたが、好みに合わないのか浮かない顔で細々と食いつないでいる。この毛虫、生来有毒人間のオイラには無害だが、木の近くを通っただけでひどい目にあったという人もいたりして、なかなか大変である。金柑や山椒の木についたアゲハの幼虫は、鳥にでも食われるのかいつの間にか一匹もいなくなってしまうが、どうもこの毛虫には有効な天敵はいないようだ。もう少しするとイラガの幼虫も大発生する。ただし木を食い尽くすほどではない。こちらは刺された瞬間に電撃のような強烈な痛みが走って、二日ほどピリピリと痛む。毎年の顔なじみである。
Sample.mp3 1分34秒 1.76MB 前回と同じ上山田方面。10時を回ってもほぼ半分の時間に航空機の音が入ってくる。もう少し早い時間帯ではほとんどひっきりなしといういう感じ。今日は風も強く、あまり録音日和とは言えない一日だ。人工ヘッド"Alqays"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
市内の家電店をうろついていたら面白いものを発見。といっても発売はすでに2ヶ月ほど前。小さなステレオのボイスレコーダーである。録音は独自の形式ではなくMP3、ただビットレートが192kbpsというのはちょっと不満だが、一応実用範囲にはなる。他のボイスレコーダーと比較しても特に小型でスマート。しかも安い。内蔵メモリーは1GBで、単四電池一本で9時間以上の録音が可能。データーは本体をパソコンに差し込んでUSBから簡単に取り込める。面白いのはマイクジャックがレコーダーの先端部分に付いていること。ここに好みの自作のマイクを直接取り付ければ、オイラ仕様のマイク一体型の録音機になる。これは便利だ。思わず衝動買いしそうになったが、マニュアル録音ができないことが分かって危うく踏みとどまった。残念ながら三脚用のネジ穴もない。面白い録音機を見つけるとあれこれ使い方を考えてつい欲しくなってしまうのだが、でも自分でそんな使い方をする時間はなかなかない。

2008年6月12日 引き続き所用に追われ、なかなか出掛ける機会がない。するうちにすでにもう梅雨の気配。今年はなんだか長梅雨になりそうな感じだ。今日は久しぶりに上山田方面へ。いつの間にか山道は笹が茂っている。時々雨のパラつく曇り空だが、意外と騒音は少ない。ここで9時過ぎまで録音。草の伸びた道を暇つぶしに散歩していると、靴の中までずぶ濡れになる。帰りはキャンプ場に寄って谷川で録音。桜の木にはサクランボがなっているので早速試食。サクランボといっても真っ黒で豆粒ほどの小さなもの。実はとれも同じように見えるが、木によって味がずいぶん違う。苦味の少ないのを見繕ってしこたま平らげる。あとは日溜りでお昼寝。ところが録音を切り上げようとして驚いた。録音機はなんとポーズのままの状態。よくやるんだよな、これ。そんなことには関わりなく昼前にはすっかり晴れ上がり気温もグンと上昇。雨上がりの陽光はやはり鮮烈な初夏の輝きである。
Sample.mp3 1分42秒 1.95MB 時刻は午前8自過ぎ。気温もあまり高くなく小雨模様。にも関わらず意外と地上から騒音がやってこない。右手のノイズは50mほど先の、池から流れ出る水音である。人工ヘッド"Alqays"とPCM-D50で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
気になっていたラインケーブル、時間がないので突貫工事で製作。それがいけなかったのかどうか知らないが、最初はシャリシャリ・カサカサの音。これはエージングで取れたがやはり高域に癖が残っている。そこで燃えないゴミに回すとして、次のケーブルを思案中。今度は徹底的に剛構造にしてみよう。以前のケーブルもモッタイナイので少し改造してみたが、再生した途端に「あっ、クサ」。過去の音の記憶が蘇る。いくら外側を取り繕っても本質は変わらないのである。中身が重要、という教訓的な結果になりました。マイクケーブルは取り回しが良くないと使い物にならないので、ラインケーブルのように自由には選べない。それでも良質のものをできるだけ短くが基本。この点マイク内蔵のメモリーレコーダーはマイクケーブルが実質ゼロ。これは圧倒的なメリットなのだが、残念ながらそれをフルに生かすレコーダーがない。問題は内蔵マイクの質と本体内部の防振。少なくとも高級機では考慮してもいいと思う。
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