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 日常のありふれた音の記録です
2007年7月
2007年7月30日 今年は猛暑という予測だったが、8月ももうすぐだというのに耐え難いほど暑い日は予想外に少ない。日が落ちれば意外なほどに涼しくなって、明け方には肌寒いほどになった。大丈夫なのか、今年の夏。午後に時間が空いたので、再び前回の場所を訪れてみた。少し周りを歩いてみると昔は奥の方まで耕作されていたらしく、ほとんど山に帰ったブドウ畑がいくつかあり、打ち捨てられた草ぼうぼうの畑がいくつも見える。人間が作ったものが自然に帰っていくのを見るのは、これはこれでなかなか楽しいものだ。廃墟趣味と言われそうだが、年を経てすっかり落ち着いてしまった山や、こまごまと管理されている場所にはない荒々しさと、若々しさと、混沌があり、活気がある。二度目に訪ねて、ずっと昔一度ここに録音に来たことをやっと思い出した。周りの様子は当時とはすっかり変わっているはずだが、記憶に残っていたのは道沿いに流れる小さな水路の流れ。この雰囲気は今も変わっていない。近くを通る道路の騒音にうんざりしていたのが確かに記憶に残っている。どうやら夏向きの場所のようだ。
Sample1.mp3 1分39秒 1.88MB 耳元に楽しげに群がる蠅どもが、後ろのかぼちゃ畑の隅に仕掛けた罠に捕われたヌートリアの膨張した腐乱死体からやって来たものではないという保証は・・・、ない。無添加、無漂白、無殺菌の自然音?。ただしあまり衛生的ではないかも。小型マイク"Esrit"とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
Sample2.mp3 1分40秒 1.91MB 気だるげな夏の午後だ。小型マイク"Elk"とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
確か地図では少し南に谷を抜ける道があったはず。人がやって来る様子もないのでマイクはそのままにして探してみると、30mほど東の畑の隅から暗い竹藪の中を通って草の生えた道が延びている。上っていくと今までいた場所がすぐ下に見える。なんと目と鼻の先を別の道が通っていたのである。水が流れ出てじめじめした道をしばらく行くと開けたところに出で、道の右側に結構大きな池が2つあり、その先はわりと平らだがずっと山の中へ続いているように見える。ただこの辺りは陽射しの明るさにも関わらず、静かでなんとなく暗さのある雰囲気だ。時間がないのでそこで引き返してしまったが、あとで調べたら500mほど先で南側の平野に出るようだ。夏の続く間にまた来てみることにしよう。

2007年7月18日 台風一過、そろそろ梅雨も明けてもいい頃だが、あいかわらず朝から曇り空だ。10時過ぎにキャンプ場へ。キャンプ場の方はさすがにこの時間ではどうしようもないので、その前の林の中で録音。台風4号、大雨と強風でひどいことになるのではという予想に反し、当地では意外に何事もなく通過。ただ新たに木が1本倒れ、谷川の陥没した場所はさらに深く抉れている。ここは1時間半ほどで切り上げて上山田方面へ。こちらはまあまあだが、やはり時間が遅すぎる。マイクをセットして散歩しているとプラスティックの大きな容器をいくつも載せた運搬車がやってきた。何なのかと思っていると、ぷ〜んと良い匂いが漂ってくる。肥桶だ。後で車の停まった場所を見たら、畑の隅に地面を掘ってビニールの屋根を付けただけの簡単な肥溜めが作ってあった。今度からうっかり落ちないように気をつけなくちゃ。これに落っこちる人はいつの時代でも時々いるものだ。昼過ぎに山を下りそのまま鹿忍方面へ。道は緩やかな上り坂、天気もどうやら回復して来た。
Sample1.mp3 1.13MB さすがに梅雨も終わりに近付くと、小さな谷川にも水が流れ始める。小型マイク"Elk"とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
Sample2.mp3 55秒 1.06MB 忍鹿、わずか20mほどの林の中。林はさらに奥へと続いているが、道はない。100m前は道路が走っている。小型マイク"Elk"とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
この辺りは以前何度か来た時はあまり良い印象ではなかった。なぜか今日は午後ももう遅いというのになかなかにぎやかだ。環境は常に変化しているらしい。山の端の方まで行っていったん長浜へ下りて県道を牛窓へ抜け、そこから別の道を上って来た道を戻り日暮れ前に帰宅。行き帰りに3箇所で録音してみたが、最後は道路から100mほど離れた小さな林の中。最近10年ほどの間に畑から林になったらしく、ちょっと荒れ果てたような雰囲気があって、この場所だけ妙に生き生きとしている。林はさらに浅い谷に続いていて、向こう側からは民家の犬の声が聞こえてくるが、谷はうっそうと笹が茂っていて入っていく道はない。地面はどこもじめじめして水を含んでいるので、舗装された道を外れて林の中に踏み込むのはいささかためらわれる。道にそって小さな物置小屋が一つあって、その傍の溜池は真っ黒に澱んでいるが、とくに瘴気が立ち昇るというほどではないようだ。ごく小さな場所で、しかも道路が近くを通っているのであまり録音向きではないが、なかなか居心地のいい場所である。ただ度々来るにはちょっと遠すぎるんだよな。

2007年7月10日 朝から雨上がりのどんよりした曇り空。しかし雨は当分降りそうもないので、久しぶりに円張川まで出かける。このところ降り続いた雨で流れはそこそこあるが、やはり音は少ない。道路から斜面を下って川の中にマイクをセット。雨に濡れた岩場は滑りやすく、なかなかに油断がならない。緑に生した苔の上を注意して歩く。こんなところで転げ落ちて石に頭をぶつけ、ノーミソをぶちまけるなんてのはイヤである。道を散歩しているとゴミ収集車がやたらとクラクションを鳴らしながら、やけに硫黄くさい煙を残して通り過ぎていく。11時前になると雨が降りだしたので撤収。なんだか今年は一向に梅雨らしくない梅雨だ。陽射しのある日にはすでにニイニイゼミが鳴き始めている。梅雨明けも間近に違いない。いよいよ夏本番。ただそれはそれでまた心残りな事ではある。
Sample.mp3 1.72MB 円張川の中で。上の水溜りから下の大きな水溜りまで、石積みの斜面を水が流れている。無分別にクラクションを鳴らし、硫黄くさいガスを吐き散らして通り過ぎるのはゴミ収集車だ。小型マイク"Elk"とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
帰り道にふと立ち寄ったカメラ店で購入。税込み612円。もちろんショーウインドウに並べられるような品物ではない。コレクションとしての価値は完璧にゼロ。普通は店の隅で段ボール箱に入れられて転がっている種類のものだ。ここでも床に置かれたカゴに無造作に放り込んであった。いわゆるバカチョンカメラ。40mmF2.8。距離計連動式ファインダー。cdsセルによるプログラムシャッター。日付の写し込み機能はあるが手動式だ。その数字からすると30年以上前の製品である。ただ状態はすこぶる良好。バッテリーを入れれば多分問題なく作動するだろう。これで実用性があればそこそこの値段でショーウインドウに並ぶのだが、余計な日付機能のおかげでフォーカスリングは操作しにくく、距離計は薄くて見にくい。恐らくこのカメラで撮影することはこの先ないだろう。それでは何で買ったのかというと、ただ単に安いから・・・。良くないクセである。それでも装飾品と考えれば立派なものだ。バカチョンとは言っても、その重厚さは昨今のデジタルカメラの到底及ぶところではない。眺めていると力が湧いてくる。第一こんな装飾品、どこの100円ショップにも売ってない。

2007年7月2日 6時に目を覚ますと雨が降っている。でもって寝る。7時に目を覚ますとやはり雨が降っている。また寝る。8時に目を覚ますとなおも降り続いている、またまた寝る。最後に9時前に目を覚ましたとき雨は止んでいた。そして出かけるのである。日佐神社から福原谷川を上って川の中で録音。一つはいつものように砂防ダムの下、もう一つは神社の下。あれこれ時間をかけてセッティングしてみたが、遅い時刻と雨上がりの曇り空。音が少ないのだけはどうしようもない。2時間ほどで昼前に引き上げる。
Sample.mp3 1分37秒 1.85MB 30分近くセッティングに時間をかけてみたが、結局音が少ないのばかりは救いようがない。小型マイク"Elk"とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
最近とても気になっていることがある。猫缶である。気付いたのはある日ふと口にしてみた時のこと。塩味があるのである。言うまでもなく人間並みの味付けは猫には極めて有害だ。そこで各社の小型の猫缶を買い込んで試してみた。結果はほとんどの猫缶が味付けされているということ。どうして分かるのかというと、スープやゼリーの部分と身の部分で塩味が違うから。もう一つはまったく味付けされていないものがまれにあるので比較できること。3分の1程は人間の基準でも塩辛いと思えるものだった。そのままパンに挟めば美味しいツナサンドの出来上がりだ。そんなわけで最近は猫のエサ選びにも戦々恐々の毎日なのである。
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