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 日常のありふれた音の記録です
2006年7月
2006年7月29日 ここ数日好天続きである。梅雨明け宣言も出たようだ。朝外に出るとそのままクラッと卒倒しそうな強烈な陽射し、夏日である。待ちに待った本当のホンマモンの夏だ。といっても湿度は結構高く、冷房の効いた室内から戸外へ機材を持ち出すとたちまち白く結露する。DATやMDには要注意だ。そのまま日向に出しておくとバッグの中はすぐに50℃以上になってしまう。録音機材にはなかなか厳しい季節である。
7時過ぎからキャンプ場へ出向いてみたが、なんだかずいぶん静かである。今年はセミの声もまばらであまり活気がない。少し遠くまで足を延ばしてみても、やはり同じ状態、というか日が高くなるにつれてますます閑散としてきた。ついに諦めて昼過ぎに帰宅。強い日差しの中の静けさは妙な予感を感じてちょっと不気味。
Sample1.mp3 1分38秒 1.88MB キャンプ場前の林で録音。前日程ではないがかなり強烈な陽光である。小型マイク"Elk"とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
Sample2.mp3 1分05秒 1.24MB 小さな工場なのか、それともなにか工事でもしているのか。道を隔てた下の建物から響く音はセミの声とあいまっていよいよ暑苦しい。小型マイク"Elk"とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
夕暮れ時の帰り道、街路樹のプラタナスに大量の鳥が集まってくる。とても100や200の単位ではない。スズメくらいの小さな小鳥だが、薄暗い上に動きが早く、葉の間にすばやく見え隠れするのでしかとは判別できない。鳴き声はもっと分らない。街路樹そのものが凄まじい騒音の塊と化してしまって、個々の鳴き声なんてまるで聞き取れない。もちろん木の下は爆弾投下の危険地帯だ。それにしても街中でこれほど多くの数の鳥が生活していけるというのは何とも不思議である。身近な田舎でもこれだけの数の鳥を一度に見かけることは今はなくなってしまった。

2006年7月23日 長く続いた雨もここ二三日は晴れ間が見え、そろそろ梅雨明けも間近いという感じた。昼前から出かけたが音が少ない上にやたらと蒸し暑い。録音を始めてしばらくすると小雨が降り始めだ。この程度なら大丈夫と録音を続けていたがこれが大間違い。いよいよ本格的な雨になってきた。アスファルトの路面を無数のウォータークラウンが消えるまもなく流されていく。やはり傘を持って来ればよかった。こちらは近くの松の木の下で雨宿り。見かけによらず意外と雨が漏らない木だ。人間はいいとして、またまた機材はずぶ濡れである。でもまあ梅雨時なんてだいたいこんなもんです。帰り道、木の外へ出て初めて雨のすごさが分った。川は増水、道はところどころ水没している。やはりただごとではないようだ。人間の方も家に帰り着くまでに靴の中までずぶ濡れになってしまった。もうもう雨なんてイヤでゴザイマス。
Sample.mp3 1分29秒 1.71MB 午後を少し回った頃からポツリポツリと降り始めた。どうやらこれが今年の梅雨最後の雨になったようだ。小型マイク"Elk"とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)

2006年7月17日 梅雨空の合間を縫ってこのところ晴れた日が続き、わが家の庭でもニイニイゼミがやかましく鳴き始めた。35℃の炎天下、猫は犬走りで日向ぼっこ。コチトラ恐ろしい勢いで延びてくる草を相手に悲惨な戦いの毎日である。むしった後から別の草が追いかけるように延びてくる。豊富な水と、陽光と、熱を得た草の成長はすさまじい。考えなしに雑草を取り除くと、あとにはもっと悪いものが生えてくる、と誰かが言っていたが、そんな状態である。地面にしゃがみ込んでプチプチとのん気に草むしりなんかしているともう大変である。いつのまにか何種類ものツタやつる草に絡まれ、地面の中に引きずり込まれて庭木の肥やしになりかねない、そんな恐怖さえ感じる季節だ。
久しぶりで朝からキャンプ場に行ってみたが、録音を始めるとすぐに雨。人間はとっとと建物の軒下に逃げ込んだが、機材の方はずぶ濡れである。夜中は晴れていたのにこの仕打ち、でも天気予報は雨だからしかたがないか。去年の二の舞でまたMDが壊れるかもしれん。ホントの夏らしい夏、早く来ないかな。
Sample.mp3 1分40秒 1.91MB どんよりと曇った空、気温は25℃。静かな朝だ。数分後に雨が降り始めた。小型マイク"Elk"とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
とある美容室の放出品である。放出品だなんて言うと、どこかの軍の横流しみたいで人聞きがいいが、ようするに単なるゴミだ。首のラベルにはCut Manequinとあって、ヘアカット・ヘアメイクの練習用、消耗品である。立体音響なんてやっていると、時おり人間の耳や頭部に尋常ならざる興味を抱くことがある。その成果がこれ、とは言いたくないが、柔らかい樹脂製で軽量、内部は空洞で加工も容易、頭髪もたっぷりある。加えて美形。というので持ち帰ってみたものの、頭部は女性としてもかなり小さめである。耳も形ばかりで起伏がなく、実耳の2/3ほどの大きさ。明らかにカットに失敗したと思われる髪形。加えてあまりにも不気味。これではどうしようもない。とはいっても坊主頭にしてマイクを取り付ければ、頭部の形状効果くらいは期待できるかも。似たようなものに鬘製造業者用のヘッドがあって、こちらはもう少し出来が良い。ただし男性の頭部でもちろん髪は少なめ。やはり不気味である。どちらも三脚に取り付けて持ち運ぶには相当な覚悟が要りそうだ。

2006年7月2日 極悪猫は相変わらず怪我をしては病院に担ぎ込まれている。ニャンニャンとご機嫌よろしく西の方角へ出かけた猫は、2時間ほどでズタボロになって帰ってきた。向こうっ気だけは強くて文字通りやたらと食ってかかるのだが、イマイチ実力が伴わないようだ。西は鬼門である。それでもかっては10日おきに病院に行っていたのが、現在は20日に一度くらいとずいぶん楽になったものだ。土日の連休は雨に祟られ所用に追われて、天気の回復した2日の午後から出かけただけとなった。谷川に水量はあるもののほとんど音のない閑散とした一日である。
Sample.mp3 1分28秒 1.69MB 神社の上の竹薮の中の流れ。本日の共演者はカラスである。小型マイク"Elk"とMDで録音(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
夜半の水田の傍に腰を下ろしていると強烈なカエルの声。耳の中にビンビンと響き渡るようなすさまじい音である。かなり大型のカエルだろうと声の主を探したが一向に見当たらない。ツチガエルが2匹ほどのこのこやって来たがどうもコイツとは違うようだ。しばらく探しまわってようやく鳴いているところを見つけたのは、ただのアマガエル。普段木の上で鳴いているときに比べても数倍の大音量だ。小さな体からはとても信じられないような超効率の大パワーである。かっては一晩中やかましく鳴いていた田んぼのカエルも、ここ数年ずいぶん数が少なくなってしまったようである。我が家の裏庭に厚かましくも上陸してくるカエルも今年はすっかり減ってしまった。
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