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 日常のありふれた音の記録です
2006年4月
2006年4月25日 極悪猫はまたまた足を痛めて病院へ。見てもらうと後足の爪が一本取れているという。あまり度々なので先生も苦笑い。それにしても爪、直るのかな。四月は雨にたたられたせいもあって今ひとつ時間がとれず欲求不満。せっかくの新緑の季節なので、今日一日は万難を排して外でゆっくりと過ごす事にする。といっても予定を立てているわけでもなし、しかたがないので豪渓駅から川を渡って大谷川(よくある名だ)沿いに峠を越えた辺りまで遡ってみた。谷の入り口の民家がある辺りまで来てこれはだめかなと思ったが、ずっと上がってみるとそうでもないようだ。近くに住んでいれば時折訪ねるのも悪くはないといったところ。意外だったのは後でテープを聞き直してみて思ったより航空機の音が多いこと。ただ音そのものはそんなに大きくはない。記憶に残っているのは時折上空を通り過ぎるプロペラ機とヘリコプターばかりなのである。こちらは両側の山に響く音はなかなかきれいだ。峠の延々と続く年経た桜並木はすでに時期遅れ、道沿いに長い花びらの絨毯を敷きつめていた。
Sample.mp3 2分28秒 1.69MB 平凡な一日には変凡な音といった感じだ。現場で感じたより航空機の音がずいぶん多い。人工ヘッド"Alqays"とTCD-D100で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
睡眠という特効薬の効き目は確かだった。長時間頭を抱えたバグはわずか15分ほどですべて解決。硬化して出口を見失った思考は堂々巡りを繰り返し、その輪はだんだん小さくなり、ついには自力では脱出不可能になる。こんな時の最高の処方は睡眠だ。バカな考え休むに似たり、なんていう言葉があるが、似ているなんてとんでもない。休息とは定着と熟成の期間であり、硬直した思考を解きほぐす良薬であり、一見なんの関連もないように見える物事が結びつき珍奇なアイデアが芽吹く温床なのである。
プロセッシングシステムがVer.4.5として稼動を開始した。Ver.5.0とならなかったのはハイサンプリングレート、ハイビットレートに未対応のためである。手元に対応するハードウェアが無いというのが一つの理由だが、他の事項を優先させたいというのが本当のところ。どのみち今すぐ必要というわけでもないので少し先送りとなった。今回はどちらかというとマイナーなバージョンアップだが、長年必要を感じてきた部分なので実質的な変化としては大きい。

2006年4月16日 徹夜明けに昼過ぎから出かけた。久しぶりの晴天である。上昇し損ねた春はなかなか軌道に乗らないが、そんなことにはお構いなく身の回りの季節だけは移っていく。山桜はあっというまに散ってしまい、これからは山ツヅジが本番だ。キャンプ場に行ってみると珍しく花見の客が数組来ていたが音はない。神社に回ってここの谷川の上の方で録音。午後も遅くなると風が強くなり、竹林の傍にいると、木と竹が擦れてぶつかり合う音がギシギシゴンゴンドンドン、と地面を通して足元にまで伝わって来てちょっと不気味である。夕方には気温が下がってまた冬並みの天気になってしまった。
Sample.mp3 1.89MB 午後の谷川は静かで単調だ。小型マイク"Elk"とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
プログラミングにバグはつきもの。なかでもイヤなのが、いかにも単純明快で理路整然としているように見えるがまともに動作しないというヤツ。こんなときは本当にキツネにつままれたような気分になる。複雑怪奇で混沌としていればまだ希望がある。単純明快であるがゆえに絶望的、何時間考えても分らない。すでに東の空は明るくなりかけている。わたしゃ一人でどうすりゃいいのという状態。しかし幸いなことにかなり有効な特効薬がある。まずたいていの問題はこれで解決する。その処方・・・「クソして寝る」。

2006年4月6日 時計をセットておけばよかった。目が覚めたのは午前7時をだいぶ過ぎた頃である。外はまったくの晴天、陽はすでに高い。山桜はまもなく満開だ。ここしばらくの雨で円張川の水量も多い。しかしこの時間差はしっかり効いてしまった。昼まで頑張ってみたものの手応えは今ひとつ。昼近く、荒れた畑に捨てられた牡蠣殻の山に太った生地猫がやってきた、・・・と思ったら鼻っ面がいやに長い。タヌキである。真昼間生きたタヌキを見るのはこれが初めて。このあたりでは大型の野生動物はほとんど見かけたことがない。大昔に鹿を一頭見たきりである。島から渡って来るのだという。タヌキは牡蠣殻を一枚くわえてそそくさと川のほうへ去っていった。
Sample1.mp3 1分45秒 2.00MB 円張川の中で。流れはあるが緩やかで水音はない。もう少し早く来ればよかった。小型マイク"Esrit"とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
Sample2.mp3 1分15秒 1.44MB 同じく円張川で。道路を横切った排水管から水が川に流れ込んでいる。小型マイク"Elk"とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
枯れ枝に不気味な生命体。蛍光を発する膿汁をゼラチンで固めたような、半透明で黄緑色の名状しがたい物体である。いつもの年は2月に出現するのだが、今年は3月も終わりになってから見かけるようになった。もし我が家の地面を掘っていてこんなものが大量に出てきたら、さぞ恐ろしいだろうという気がする。もうその日から安らかな睡眠なんて二度と訪れないに違いない。所為ラブクラフトの世界である。掘り返して大量の硫酸を流し込む勇気はボクにはない。底抜けに明るく陽気な5月とは違って、少しばかり遅くやってきた春はどこか湿っぽく、ほの暗い。

2006年4月2日 逃走した猫はまたガブリとやられて帰ってきた。足がひどく腫れている。ふたたび軟禁1週間。猫は度重なる仕打ちに怒り狂って爆発寸前、すでにあちこちから火を噴き始めている。野育ちの猫を長く家の中に留めておくなんてことはできっこないのである。やむなく頃合をみて開放。足はまだ治らない。病院で聞くと1ヶ月くらいはかかるという。今年も春から出だしが悪い。ずいぶんと世話の焼ける猫である。そんなわけでまた2週間ぶりの更新となってしまった。
Sample.mp3 2分12秒 2.52MB 相変わらずの円張川。生き物たちはなかなか本腰の入らない春なんかに構っちゃいられない。マイクをセットして山の上の方に上ってみたら、こちらはすっかり賑やかになっていた。小型マイク"Elk"とMDで録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
相変わらず不順な天気が続いている。今年はいち早く春の兆しが見えたかと思ったものの、あまりにも急激に機首を引き上げすぎて失速急降下・・・、を繰り返しているようにみえる。まさかこのまま墜落炎上はしないだろうが、ガタピシと上昇を続ける春の部品はあちこち取れてしまっていたりする。それでも久しぶりにお馴染みの場所を訪ねてみると、たしかに春モドギはいかにも本ものの春と見紛うばかりになってきている。なんてったってもう4月なのだ。
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