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TIスーパーバイクレースがやって来た
2003年10月18日
Sample1.mp3 59秒 1.13MB メインストレート前観客席から。人工ヘッド"Alqays"とTCD-D7で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
Sample2.mp3 55秒 1.06MB Aパドック激感コーナーから。人工ヘッド"Alqays"とTCD-D7で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
環境音を録音するとき、いつも悩みの種になるのが周辺を走り回る車の音だ。まさか積極策に打って出てるわけにもいかないので、ひたすら逃げの一手である。
といっても最近はよほどの山奥か谷合い、海岸沿いの辺鄙な場所にでも行かなければ避けることができなくなった。
ところがこういう場所に行くと別の問題がでてくる。環境音そのものがなくなってしまうのだ。人間を含め、鳥や昆虫などの小動物も少なくなる。地形で遮断されてしまうので、遠方の音も聞えてこない。
余計な音がないのでちょうどいいや、と喜んで録音したりするととんでもないことになる。主題の音だけの、単調で退屈きわまりない録音になってしまうのである。豊かな環境音は意外と身近な、車の走っている場所にあるようだ。これで車さえいなければと思う事もしばしばである。
とくに最近の車は排気音が静かになった分、不快な走行音だけが目立つようになった。単調で苛立つ音である。昔の車の音はもう少し面白みがあったような気がする。
やたらと数が多く、絶え間なく走っているのも困りものである。ときたま通り過ぎる車の音は情景になるが、こう多くては単なる騒音でしかない。
そこで環境音が豊かな、車の音のしない場所を捜しまわることになる。両側を山に挟まれた広くて深い谷間の土地、主要道路から離れた袋小路になった土地、山を隔てた海岸沿いの小さな村落などだ。地表が暖まるよく晴れた日は、音が上方に曲がるので平地でも意外と静かである、それに一年に一度だけだが元旦も悪くない。
何か仇のように思っている車の音だが、そうとばかりは限らない。不思議とモータースポーツの音には不快感がないのである。むしろホッとするくらいだ。静かなだけが心地よい車の条件ではないようである。
Sample3.mp3 1分15秒 1.44MB マイク・ナイトコーナーの手前から。人工ヘッド"Alqays"とTCD-D7で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
Sample4.mp3 1分17秒 1.46MB リボルバーコーナー付近から。人工ヘッド"Alqays"とTCD-D7で録音。(すべての音響効果をOFFにして、ヘッドフォンでお聞き下さい / Please turn off all of sound effects and use a headphone)
前置きがずいぶん長くなったが、TIサーキット英田に行ってきた。10月18日土曜日、TIスーパーバイクレース公式予選の日である。
1週間ほど前、どこかでポスターをチラと見て、ふと行って見ようと思い立ったのが運の尽き。いろいろインターネットで調べてみたが、どうにも様子がさっぱり分からない。情けない話しだが、じつをいうとサーキットに行くのは初めてなのである。
ま、行けば何とかなるだろうと決め込み、朝5時51分の列車に乗って出発。東岡山駅で山陽本線に乗り換え、7時前に吉永駅に到着である。臨時バスの乗り場がわからないのではと心配していたが、なんのことはない、小さな無人駅なのですぐ目の前だった。乗客はたった5人。そのうち女性が3人というのは、おやと思ったが、向こうに着いてからもっとおやということになる。
ひたすら山また山の中を通って午前7時半過ぎにサーキット到着。バスを降りて前の乗客について行ったが、すでに前売券を買っているらしく、さっさとどこかに行ってしまった。こりゃ困った、どこで入場券を買えばいいの・・・、とうろうろしていたらゲートの職員さんが「あんた、はじめてなのね」って顔で応対してくれて大助かり。とりあえず入場券とパドックパスを買って、ゲートの向こうの堤防みたいなところを上がって行くと、ピットと向かい合ったメインストレート前の観客席だ。
今日は14のレースがあるが、まずは様子を見ようとそこら辺をうろつきまわった後、ピットの向かいの観客席に陣取り録音開始。まだ早朝しかも予選とあって、席はガラ空きの状態である。バイクの音は小振りだがなかなか迫力のある音だ。マイクの耐入力があまり大きくないので歪まないかと心配である。意外に思ったのが女性の観客の多いこと。
しばらく録音して、コースの南を回り、バックストレッチへ。山が後ろに迫っているが、鳥の声が全くしないのは何となく異様な感じがする。その後Cパドックに入ってリボルバーコーナー、次いでマイク・ナイトコーナーの手前で録音。そろそろ観客も増えてきて、撮影している人もかなり見られるようになったが、いずれもモータースポーツ用の本格的な装備である。これも女性が多いのには驚いた。競技関係者の方々の奥さんたちなのだろうか。他では見られない光景だ。
GP250のレースを最後にメインストレート前に戻り昼食。アトラクションとピットウォークが行なわれているが、それはそっちのけで再びあちこちうろつき回り、午後のレースが始まってから、ピットの正面に戻って録音再開。つづいてAパドックに入って、激感コーナーでしばらく録音したが、ここに来るとバイクの排気音が妙に小さく聞こえるのはいったいなぜなのか。
架橋を渡って再びCパドックに戻り、リボルバーコーナー付近の観客席で録音。この辺は正面にウィリアムズコーナーが見渡せ、ピットのざわめきやメインストレートから回り込んでくるバイクの音も聞える。アナウンスの声も内容が分かる程度の音量で入ってくるし、右前方のバックストレッチからヘアピンコーナーを通過したバイクは右後方から前を通り過ぎる。なかなか賑やかで、音場面でも変化に富んだ 面白い場所だ。
見ているうちにウィリアムズコーナーで転倒事故が2件あった。ほかにも朝から数件あったらしく、救急車が走り回っている。そういえばこのコーナー、やけに対応が早いと思ったら、はじめから要員がちゃんと配置されていたのである。事故が多いのかな。
さらに西に移動して2レースほど録音。やがて陽も傾いて16時40分。最終レースもそこそこに慌てて機材を片付け、急いでバス停に向かう。なにしろ最後のバスなのだ。ぎりぎりセーフ。ふたたび山また山の中を通って、家に帰りついたのが20時前。
録音したテープを聞いてみると、思った通り歪みだらけだった。やはりモータースポーツは相当に厳しい音源である。ついでに録音中に撮影もしてみたが、こちらの惨状はご覧の通り。慣れないことは・・・・・もっとやるべきなのかな?
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